
浪費やギャンブルの借金があり、返済の目処が立たなくなってしまった時、債務整理という選択肢があります。
この場合、どのような方法で債務整理することが出来るのでしょうか。浪費やギャンブルでできた借金では、自己破産が出来ないと言われることもありますが、本当かどうかも気になります。
そこで今回は、浪費やギャンブルがある場合の債務整理方法について、解説します。
<この記事の要約>
- 浪費やギャンブルの借金がある場合、任意整理や個人再生による債務整理を検討する
- 自己破産の場合、形式的には免責不許可事由に該当するが、裁判官の裁量で免責が認められる場合もある
- 浪費やギャンブルがあっても、この裁量免責を狙って自己破産することも一つの選択肢として検討出来る。まずは弁護士事務所の無料診断や、無料相談をしてみるのが良い
- ただ、債務整理がゴールではなく、これを機に、借金の原因となった問題も一緒に解決する必要がある
目次
浪費やギャンブルの借金があるなら個人再生、任意整理を検討する
消費者金融業者(サラ金)やクレジットカードなどの借金の原因は人によってさまざまです。
中でも浪費やギャンブルが原因の借金は、平成30年時点では借金理由の中でも少なくなく、深刻な問題となっています。(下記グラフの「商品・サービスの購入」「ギャンブル等」「その他遊興費」を合わせた件数)
(参考:多重債務者対策を巡る現状および施策の動向 平成30年6月8日
金融庁 / 消費者庁 / 厚生労働省(自殺対策推進室) / 法務省 よりhttps://www.kantei.go.jp/jp/singi/saimu/kondankai/dai11/siryou1.pdf)
浪費やギャンブル、遊興費が理由の借金がある場合には、債務整理は出来ないのでしょうか。
債務整理には、任意整理や個人再生、自己破産などの種類があります。
この中でも任意整理や個人再生であれば、浪費やギャンブルであっても、基本的には借金の原因が問題になることはありません。
任意整理は裁判所を介さず債権者と直接話し合う手続きですから、そもそも借金の原因が問題になることはありませんし、個人再生でも借金の原因によって取り扱いが変わることはありません。
但し、直近の高額な借入や換金行為等がある場合同意が得られにくい場合もあります。
よって、浪費やギャンブルによる借金があり債務整理を考えている場合には、まず任意整理や個人再生を検討するのが最善です。
ただ、何の手続きが良いか自分だけで判断し、実行することは困難です。借金の返済の目処が立たない場合は、まず弁護士などに相談しましょう。
自己破産は裁量免責を狙う
自己破産の場合は、借金の原因が問題になります。
自己破産は裁判所に申立をして「免責」決定をしてもらうことにより、養育費や税金などの一定の非免責債権を除いて借金の返済義務を0にしてもらう手続きです。
ところが、借金の原因が浪費やギャンブルだと、この免責が得られないことになってしまうのです。
法律上「免責不許可事由」といって、免責が受けられない場合がいくつか決まっており、その中に浪費やギャンブルがある場合も含まれるからです。
ただ、免責不許可事由があっても、必ずしも免責が受けられないわけではありません。
自己破産には裁量免責という制度が認められていて、これによると裁判所は、免責不許可事由があっても破産手続きに至った経緯その他一切の事情を見て免責が相当な場合は、その裁量で免責決定を出すことが出来るようになっているからです。
特に1回目の破産であれば、浪費やギャンブルがあってもこの裁量免責を受けられる可能性があります。
ただ、もちろん全員が裁量免責を受けられるというわけではありません。
自分の生活や借金の状況からすると何の手続きが最善なのか、自己破産だとしたら裁量免責が見込めそうかなどをまずは弁護士に相談しましょう。
最近では無料相談ができる弁護士事務所も多いですし、多くの弁護士は借金の理由を聞いても責めたり怒ったりすることはありません。
大切なのは解決しようとする姿勢です。あなたが同じ過ちを繰り返さないようにし、生活を立て直したいと考えていれば、弁護士はしっかりとサポートしてくれます。
浪費やギャンブルの原因を根本から解決する
浪費やギャンブルでの借金を債務整理で解決したとしても、返済が楽になったり無くなったりしたことで余裕が出て、また同じことを繰り返してしまう可能性があります。
そのようなことのないように、これを機に浪費やギャンブルをやめられるよう、生活も見直す必要があります。
①別の楽しみを見つける
他の趣味を作ったり友人や家族と過ごす時間を決めたりすることで、散財やギャンブルをする時間を無くします。「お金がどんどん貯まっていくこと」を楽しみにして、残業や副業をする人もいます。
②家族や恋人、友人に相談する
自分の状況や債務整理をしていることなどを周りに相談し、できれば信頼できる方に家計の管理を任せます。勇気のいることですが、前向きに解決しようとする姿勢があればきっと応援してくれるはずです。
③クレジットカードでの支払いをやめる
リボ払いで借金が増えてしまう方もいるのではないでしょうか。クレジットカードではたとえ生活が苦しい月も買い物や料金支払いができてしまうため、明確に収支状況を把握することができません。
買い物は現金やプリペイドカード等での支払いだけにし、生活費は銀行からの直接引き落としにします。クレジットカードは浪費での借金が増えるきっかけになってしまうので、思い切って使うのをやめてみます。
現金を持ち歩きたくない、またはインターネットでの買い物などにクレジットカード機能が使いたいという方には、デビットカードがおすすめです。使い方はクレジットカードと同じですが、口座に残高がないと利用ができない仕組みになっているので、使いすぎることがありません。
JCBやVISAなどの加盟店やサイトで利用できます。カードを作る際に審査がない場合が多く、基本的には主婦や無職の方でも作成できます。
④カウンセリングを受ける・自助会に参加する
債務整理をしても同じ問題を繰り返してしまう・悩みが深いという場合は、カウンセリングや自助会をお勧めします。浪費やギャンブル依存の解決法としては、海外では一般的です。
無料で対応してもらえますし、家族が相談・参加できるものも多いですよ。
こちらは機関の一例です。
生活再建支援カウンセリングについて 【借金に悩む 支払いについて】|日本貸金業協会
自助グループ 一覧|特定非営利活動法人アスク
浪費やギャンブル癖は直すことができると言われています。
立て直そうという前向きな気持ちのあるあなたなら、きっと解決できるはずです。
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