
借金返済が苦しくなったら、任意整理などの債務整理で解決するという選択肢があります。
しかし、債務整理をすると賃貸住宅の入居審査に通らなくなると考えている人が多いです。
今回は、債務整理によって賃貸アパート・賃貸マンションの入居審査に通らなくなることがあるかについて解説します。
<この記事の要約>
- 債務整理をするとブラックリスト状態になるため、信販系の賃貸保証会社がつく場合は審査に通りづらくなる
- 債務整理をした後に賃貸契約をするためには、以下のことに気をつけて物件探しをすると良い
1,信販系以外の賃貸保証会社を利用する
2,不動産会社に相談するのが近道
任意整理するとブラックリスト状態になる
債務整理をするといわゆるブラックリスト状態になってしまい、一定期間ローンやクレジットカードの利用が出来なくなります。
ブラックリスト状態とは、信用情報に事故情報が記録されることです。
ブラックリスト状態になると、住宅ローンやマイカーローン、教育ローンなどの各種のローンは基本的に利用出来ませんし、正社員で年収があっても自分名義でクレジットカードを発行することが難しくなります。
ブラックリスト状態について詳しい記事はこちら:「ブラックリストとは?【借金滞納や債務整理と信用情報】」
ブラックリスト状態になることによって、アパートの入居審査にも落ちてしまい、引っ越しなどが出来なくなるのではないかというのが今回の問題点です。
信販系の賃貸保証会社がつく場合は審査に通らない任意整理しても入居審査に通る
債務整理中・債務整理後の入居審査に通らないケースに多いのは、信販系の賃貸保証会社がつく場合です。
賃貸保証会社とは、契約者が家賃を滞納したときにいったん代わりに大家さんや管理会社に対して立て替えをし、その後、契約者に請求を行う会社のことです。
アパート・マンションを経営する立場としては、家賃を滞納されるリスクが大きく、またその後滞納分を請求するやりとりも負担が大きいため、最近では賃貸物件を契約する際に、賃貸保証会社の審査がある場合がほとんどです。
賃貸保証会社には様々な会社がありますが、その中には信販会社もあります。
信販会社で賃貸保証の事業を行っている会社には、例えばこのような例があります。
- ジャックス
- アプラス
- セディナ
- エポス
上記のような信販系の賃貸保証会社は信用情報をチェックするので、やはり事故情報が記録されていると審査に通らないことが多いです。
しかし、債務整理によって賃貸契約の審査にまったく通らなくなる、というわけではありません。以下のようなことに注意すれば、債務整理をしても賃貸契約ができる可能性が高いです。
債務整理後、賃貸契約の審査に通る確率を上げるための方法
①信販系以外の賃貸保証会社を利用する
先述した通り、信販系の賃貸保証会社がつく場合は審査に通りづらいです。
しかし、賃貸保証会社の中で信販系は一部なので、それ以外の保証会社を利用できれば、賃貸契約の審査に通る確率が高くなります。
ただ、信用情報を見ることができない(信販系ではない)保証会社でも、家賃滞納記録を共有している場合があります。
もし以前に家賃を滞納したことがあり、その事実が共有されている場合は、やはり審査に通りづらくなります。
②保証会社不要の物件を探す
多くはありませんが、保証会社不要で契約できる賃貸物件もあります。このような物件であれば、過去に債務整理をしたことや家賃滞納をしたことは審査に影響してきません。
ただ、大家さんや管理会社が「早く入居させたい」と考え保証会社不要としているケースがほとんどなので、築年数が長い、駅から遠いなどのデメリットもあるでしょう。
不動産会社に相談するのが近道!
ネット検索などでその物件の保証会社まで調べることは難しく、また「保証会社不要」とネットに出ていてもその物件にまだ空きがあるか定かではないので、不動産会社で「信販系以外の保証会社で物件を探している」旨を相談してみるのが確実です。
大家さんや管理会社には、信用情報に事故情報があることを伝えない方が良いですが、不動産会社にはむしろ伝えた方が良いです。
物件の検索や審査の準備など様々行った後に信販系保証会社の審査で引っかかってしまうよりは、事前にその条件を伝える方が良いでしょう。不動産会社は契約してもらいたいという考えがあるため協力的に対応してくれます。
また、宅建業法では『宅建業者およびその使用人、その他の従業者は、正当な理由がなければ、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他に漏らしてはなら』ない、とされており(同法75条の3)、不動産業者は守秘義務を負っているため、事故情報が広まることは考えづらいでしょう。
不動産会社の担当と一緒に、『信販系の保証会社がつかない』もしくは『保証会社なし』という条件の中で、気に入る物件を探すのが効率的です。
まとめ
債務整理をするとブラックリスト状態になるため、信販系の賃貸保証会社がつく場合は審査に通りづらくなります。
しかし、債務整理をすると賃貸アパートや賃貸マンションの入居審査にまったく通らなくなる、ということではありません。
実際に、任意整理手続き中に引っ越しをする人はたくさんいます。
債務整理をした後に賃貸契約をするためには、以下のことに気をつけて物件探しをしましょう。
- 信販系以外の賃貸保証会社を利用する
- 不動産会社に相談するのが近道
不動産会社の担当に条件を伝えて、一緒に探してもらうのが近道です。