債務整理するべきかの判断基準は?任意整理をした方がいいのはこんな人

最終更新日:2021/10/08

監修

弁護士法人サンク総合法律事務所
弁護士 淺海 菜保子

弁護士法人サンク総合法律事務所 淺海 菜保子

面談

借金返済が苦しい場合、債務整理の手続きの中の一つである任意整理を検討するのも、解決に繋がる一歩となります。

ただ、誰でも任意整理すればよいというわけではなく、任意整理をするべきか検討するための基準が大まかにあります。

今回は、債務整理をするべきかの判断基準や、その中で比較的任意整理に向いている人はどのような人かについて、解説します。

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この記事の要約
▼債務整理すべきか検討するための目安として「借金額が総量規制を超えていないか」がある

▼こんな場合は任意整理を検討してみよう
・借金返済が苦しいが、元金の分割返済をしていけるほどの収入や家族からの援助などがある
・複数借入をしており、その中に保証人付きの借入がある
・複数借入をしており、その中に車のローンなどの借入がある
・家族や職場に内緒で借金問題を解決したい
・そこまで大きい額ではないが、借金を滞納してしまい一括請求がきている など

▼債務整理すべきか、何の手続きが最善かなどについては、借金問題解決の専門家である弁護士にフラットな意見をもらうのがおすすめ



債務整理をするべきか検討する基準とは?

債務整理をするべきか検討する基準として、目安にできるのが総量規制です。

借入残高(残りの借金額)の合計が、年収の3分の1を超える場合に、返済能力を超えるものとして追加の借入れが原則禁止されます。これがいわゆる総量規制です。

総量規制の対象は消費者金融やクレジットカードなどで、銀行や信販会社のローン(車のローンなど)は対象外となります。
(参考:お借入れは年収の3分の1までですー日本貸金業協会

このことから、住宅ローンや車のローン以外の借入が年収の3分の1以上ある場合、債務整理を検討した方が良いという考え方があります。

ただ、「借金返済を苦しいと感じるか」は、人それぞれ、個別具体的な事情によって異なります。借入が年収の3分の1以上あるからといって必ず債務整理をした方がいいわけではありませんし、逆に借金が年収の3分の1未満でも「返済が苦しい」と感じるのであれば、弁護士などの専門家に相談してみるのが良いでしょう。

債務整理を検討・判断する要素について詳しい記事はこちら:「年収の何割以上の借金が債務整理の目安になる?

任意整理するべきか検討する基準は?

任意整理

任意整理は、債権者(消費者金融などの借入先)と直接交渉をして借金の一部を減額してもらい、長期分割で支払っていく手続きです。

基本的には「和解が成立してからの利息」がカットもしくは減額される方法で、元金(利息以外の借り入れ金額)までは減りません。

ただし、過去に「利息制限法」による上限金利を超過した利率で高すぎる利息を払っていた場合、元金を減額できたり過払い金を取り戻せたりする可能性があります。

借金問題にお悩みで、下記に一つでも当てはまるという方は、任意整理を検討してみましょう。

  • 借金返済が苦しいが、元金の分割返済をしていけるほどの収入や家族からの援助などがある
  • 複数借入をしており、その中に保証人付きの借入がある
  • 複数借入をしており、その中に車のローンなどの借入がある
  • 家族や職場に内緒で借金問題を解決したい
  • そこまで大きい額ではないが、借金を滞納してしまい一括請求がきている など

それぞれ詳しく見ていきましょう。

借金返済が苦しいが、元金の分割返済をしていけるほどの収入や家族からの援助などがある
借金が免除になる自己破産とは違い、任意整理では手続き後、3年から5年くらいかけて、分割して支払いを行うことになります。

債権者と交渉した結果支払うことになった元金、もしくは元金に近い額の残債を分割して債権者に支払う必要があるのです。

もし、収入がない場合や、収入が不安定な場合は、任意整理後の支払いが継続できない恐れがあるため、任意整理手続きが困難になります。

ただし、ある程度安定して支払いが続けられる見込みがある場合は、支払い根拠がアルバイトによる収入でも、家族などからの援助でも、年金収入でも構いません。

ただし、生活保護で受給しているお金を借金返済に利用してはいけないという決まりがあるため、生活保護受給者の方は基本的に任意整理ができません。

複数借入をしており、その中に保証人付きの借入がある
保証人付きの借入を対象に任意整理をすると、多くの場合、債権者から保証人に残債が請求されてしまいます。

保証人には迷惑をかけたくない、返済に困っていることは内緒にしたいという方も多いでしょう。

任意整理は対象にする債権者を選べます

つまり、保証人付きの借金以外を対象にして任意整理をすれば、保証人には特に何の影響もなく済みます。

複数借入をしており、その中に車のローンなどの借入がある
車のローン会社を対象にして任意整理の交渉を行うと、車を引き上げられる可能性が高くなります。

車のローンには、債務者が途中でローンを支払わなくなったら、ローン会社が所有権にもとづいて車を引き上げ、売却するという「所有権留保」がついているケースが多いからです。

この場合も車のローン以外の借入を対象に任意整理をすれば、車を残したままそれ以外の借金返済の負担を軽くすることができます。

このように、債権者を選択できることは任意整理の特徴です。

家族や職場に内緒で借金問題を解決したい
任意整理以外の債務整理手続きには、自己破産や個人再生といった裁判所を利用して行う手続きがあります。

裁判所を利用する手続きの場合、本人名義の財産を手放さなければならない場合があったり、裁判所に対して家族全体の細かい収支状況や退職金見込み額などの書類の提出が必要な場合があるため、家族や職場に内緒にしづらい側面があります。

その点、任意整理は原則として財産を手放す必要がなく、裁判所が関わらない手続きであることから、家族や職場に内緒で行いやすい債務整理手続きだと言えます。

また、弁護士に任意整理を依頼すると、弁護士が代理人となるため借入している本人に直接連絡(お知らせや督促など)が来ることは基本的になくなります。

より詳しい記事はこちら:「債務整理は会社や家族にバレるのか?借金問題がバレない方法

そこまで大きい額ではないが、借金を滞納してしまい一括請求がきている
借金を数ヶ月滞納すると、債権者から残債を一括請求されることが多いですが、その段階からでも任意整理による解決が見込めます。

一括請求がきている段階で任意整理をするメリットは、「分割払いにできる可能性が高い」「遅延損害金がカットできる可能性が高い」ということです。

すでに数ヶ月滞納していることから、借入している本人が債権者に分割払いの相談をしても応じてもらえない場合があります。

そのような場合でも、債務整理を得意とする弁護士が代理となり任意整理の交渉をすると、元金のみもしくはそれに近い金額を長期(3~5年程度)の分割払いにできる可能性があります。遅延損害金をカットできるケースもあります。

ただし、一括請求されている残債が収入に対してあまりにも多く、任意整理してもその後分割払いをしていけそうにないという場合は、これからご説明する自己破産・個人再生の手続きを検討するのが良いでしょう。

任意整理の注意点
・基本的には将来利息のカットもしくは減額となるので、劇的に借金が減るわけではない
・債権者との交渉ごとなので、希望通りの返済計画になるかはわからない

個人再生をするべきか検討する基準は?

個人再生

個人再生は、裁判所に申立てをして借金を「元金ごと」大幅に減額してもらう手続きです。

個人再生について詳しい記事はこちら「個人再生とは?メリットとリスク・費用について徹底解説【債務整理】

借金問題にお悩みで、下記に一つでも当てはまるという方は、個人再生を検討してみましょう。

  • 借金返済が苦しいが、減額後の借金を分割で返済していけるほどの収入がある
  • 持ち家があり、住宅ローン以外の借金も多数ある
  • 収入に対して借金の額が大きく自己破産も検討したが、免責不許可事由がある・資格制限対象にあてはまるなど自己破産を避けたい理由がある など

借金返済が苦しいが、減額後の借金を分割で返済していけるほどの収入がある
個人再生では手続き後、基本的には3年ほどかけて、減額された金額を、分割で返済していく必要があります。そのため、無職の方や収入が不安定な方は手続きができません。

持ち家があり、住宅ローン以外の借金も多数ある
個人再生には住宅ローン特則(住宅資金特別条項)があります。これは、住宅ローンについては従来どおり(又はリスケジュールして)返済し続けることによって,自宅を処分されないようにしつつ、個人再生でその他の借金のみ減額できるという方法です。

住宅ローン特則について詳しい記事はこちら:「個人再生で住宅ローン支払い中の家を残せる?住宅資金特別条項(住宅ローン特則)とは

収入に対して借金の額が大きく自己破産も検討したが、免責不許可事由がある・職業制限対象にあてはまるなど自己破産を避けたい理由がある
自己破産は税金などを除いた借金が全て免除される手続きなので、借金額が大きい方にはおすすめです。ただし、自己破産には免責不許可事由(浪費やギャンブルで高額な借金をした・詐術行為があったなど該当すれば裁判所が免責を許可してくれない事由)や一部資格・職業制限(保険の外交員や警備員など)があるといった特徴があります。

個人再生にはそのような制限は特にないので、免責不許可事由がある・職業が制限対象に該当するなどの場合は個人再生も含めて検討しましょう。

免責不許可事由について詳しい記事はこちら:「自己破産の免責不許可事由とは?【債務整理】

自己破産の職業制限について詳しい記事はこちら:「職業制限を受ける場合があるー自己破産後の生活はどうなる?家族や職場への影響【債務整理】

個人再生の注意点
・ある程度安定した収入が必要
・住宅ローン特則つきの個人再生を行うと、裁判所を通じて行う債務整理の中でも費用が高額になる
・任意整理と違い債権者を選べないため、保証人つき借金があると保証人に残額の請求がいく

自己破産をするべきか検討する基準は?

自己破産は、税金など一部を除いた債権を全てゼロにすることができる手続きです。自己破産をすると一定以上価値のある財産は処分されます。本人名義の住宅や車などがある場合はそれらの財産を手放すことになります。

借金問題にお悩みで、下記に一つでも当てはまるという方は、自己破産を検討してみましょう。

  • 収入に対して借金の額が大きく、任意整理では借金問題を解決できない
  • 本人名義の財産が特にない
  • 今後収入が減る・もしくはなくなることでこれまで通りの借金返済が継続できない など

収入に対して借金の額が大きく、任意整理では借金問題を解決できない
任意整理では、借金の将来利息がカットもしくは減額され、その金額を3年〜5年ほどで分割返済することが多いです。そのため、元金(現在の借入残高)を60回(5年)分割で返済する想定をしてみて、その月額では返済していくことが難しそうであれば、任意整理では、借金問題を解決できない可能性が高いと言えます。自己破産を検討してみましょう。

ただし、任意整理の交渉で必ずしも5年分割の和解が取れるとは限りません。それまでの返済状況や債権者によって、交渉結果は異なりますので、弁護士に相談してアドバイスをもらいましょう。

本人名義の財産が特にない
自己破産をすると本人名義の資産が没収され、債権者へ配当されます。ただし破産者にも生活があるので、生活に必要な最低限の財産は残してもらえる制度になっています。

どの程度の価値の財産が没収されるかは全国の裁判所によって微妙に異なりますが、たとえば東京地方裁判所では現金なら99万円まで・個別の財産については20万円分の価値のものまで本人の手元に残せることになっています。

本人名義の持ち家があり家族で住んでいる・大切でどうしても残したい財産があるなどの事情がある場合、自己破産はおすすめしません。

今後収入が減る・もしくはなくなることでこれまで通りの借金返済が継続できない
先述した任意整理・個人再生は返済を前提とした手続きですが、自己破産は基本的には借金を返済しなくて良くなる手続きです。

収入が大きく減る・なくなることで返済の見込みが立たなくなる方は、自己破産を検討しましょう。

自己破産の注意点
・一定額以上の財産が没収される
・手続き期間中のみ、一部資格・職業に制限がかかる
・免責不許可事由があると免責を受けられない(借金が免除にならない)可能性が高い
・任意整理と違い債権者を選べないため、保証人つき借金があると保証人に残額の請求がいく

債務整理のデメリットと対処法

これまで説明してきた任意整理・個人再生・自己破産全ての債務整理には、共通して「いわゆるブラックリスト状態になる」というデメリットがあります。

俗にいうブラックリスト状態とは、債務整理をしたことが信用情報に事故情報として記録され、数年間ローンを組んだりクレジットカードを作成したりすることが、きわめて難しくなる状態です。債務整理の事故情報は完済後、削除されるまで、5年から10年ほどかかると考えましょう。

債務整理をした場合だけではなく、借金返済を滞納した場合も事故情報は記録されます。もし、返済が苦しくすでに滞納している・これから滞納しそうという方は早めに債務整理を検討しましょう。

ブラックリスト状態になっても、デビットカードや家族カードなどクレジットカードの代わりとして利用できるカードはありますし、家族名義で車のローンや携帯電話の分割購入をしてもらうなどの代替案もあります(債務整理をしても家族の信用情報に影響はありません)。

債務整理後の生活・クレジットカード審査などについて詳しい記事はこちら:「任意整理するとどうなる?債務整理後の生活やクレジットカード審査について解説

重要なのは、生活が改善する方法を客観的に判断すること!

債務整理には色々な手続きがあり、それぞれデメリットや注意点がありますが、悪い点ばかりを見て債務整理を敬遠するのはもったいないと言えます。

それぞれのメリット・デメリットを踏まえて、今の生活やお悩みにあった解決方法を提案できるのが弁護士です。

「債務整理をした方がいいのかわからない」「債務整理の中でも、どの手続きをするべきなのか」などお悩みの場合は、借金問題解決の専門家である弁護士に相談し、フラットな意見を聞いてみましょう。

<解決事例>マイホームを手放さずに借金解決!C子さん(38歳 主婦 子供あり)

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