借金100万で自己破産?30万で任意整理?少額で債務整理する基準とは

最終更新日:2020/05/22

監修

弁護士法人サンク総合法律事務所
代表弁護士 樋口 卓也

弁護士法人サンク総合法律事務所 代表 樋口 卓也

借金 夜も眠れない

30万円〜100万円程の借金は、側から見れば大したことがなくても、本人からすると心配で夜も眠れず過ごす原因となっているかもしれません。

今回は、「少額」と言われる借金はどのように解決するのが最善か、また「債務整理」を行う際に最低額など判断基準があるのか、解説していきます。

あなたの借金はいくら減らせる?

減額診断スタート

<この記事の要約>

  • 債務整理には「いくらから」など最低金額のきまりはない
  • 以下のような場合は、借金30万円程度でも任意整理をするメリットがある
     ・過払い金が発生している
     ・滞納して債権者が一括請求をしてきている
     ・返済中にも関わらず、意志が弱く借りてしまう
  • 以下のような場合は、借金100万円程度でも自己破産をするメリットがある
     ・生活が苦しく、任意整理の計画では支払いきれない
     ・病気などで収入が見込めず、生活保護を受給する必要がある
  • 借金100万円程度で個人再生をするのはメリットがない
  • 少額の債務整理は、「本当に債務整理をした方がいいのか」を誠実に考えてくれる、実績のある事務所に相談・依頼する

借金が少額なのに終わらない原因は?

少額の借金は、計画をたてて毎月出来るだけ多くの額を返済していけば、短期間で完済できます。

例えば30万円の借入れがある場合、毎月3万円ずつ返済すれば、利息を含めても1年以内に完済できる計画です。

これが実行できる人は何も悩む必要はありません。しっかりと計画をたてて、一刻も早く借金生活を終わらせましょう。

ところが、少額の借金の返済がいつまでも終わらない人は多くいます。このような人には以下のような特徴があります。

月々返済する額が少ないため、利息ばかり払い元金がなかなか減らない

現在消費者金融などでは、「毎月の返済額は一定で、そのうち利息の割合がはじめは多く、後から少なくなっていく」という返済方法が主に採用されています。

例えば30万円を借りて、毎月最低返済額の7千円ずつ返済していくとします(年利率18%)。
(参考:ご返済額とご返済期日ー新生銀行カードローンL 旧レイク)

この場合、はじめの12ヶ月間で支払う利息と元金は以下のような計算になります。
利息表

返済し始めてしばらくは、毎月の返済額のうちの大半が利息だということがわかります。

この計画でいくと、30万円を支払い終わるのは70ヶ月(約6年)後、支払う利息の合計額は18万4千円ほどになる計算です。

このような状態であれば、確かに「何年も返済が終わらない…」とストレスを感じますよね。

しかし、こちらは数千円でも返済額を上乗せして毎月遅れずに返済すれば、自力でより早く完済することが可能です。

返済額の上乗せがどうしても不可能な場合や、利息が気になる場合は債務整理を検討するのもひとつの方法です。

債務整理については後述で詳しく触れています。

返済しながらまた借りてしまう

毎月、クレジットカードの引き落とし払いやカードローンの返済などをすると、その分交際費などちょっとしたお金が足らなくなり、またクレジットカードで補填したりキャッシングしたりしてしまう人がいます。

これではいつまで経っても借金返済が終わりませんよね。

借入れがどこからもない状態と、少額でも借入れがある状態では「借金する」ということのハードルの高さが全く異なるので、少しでも借入れがある人は自転車操業状態になったり、安易に額を増やしたりすることがよくあります

数百万円という借金がある人も、多くは数万円の借入れからスタートしたはずです。

数万円増えても変わらないか」「今回だけ特別」という気持ちから、少額の借金が終わらないばかりか多額の借金返済生活に陥ってしまう人は少なくありません。

このことから、少額の借金を確実に完済するには「これ以上借りないで、なるべく早く借金を返し終わる」と意識する必要があることがわかります。

そのためには、これまでと違って借りなくても生活できるように収支を改善することと、少しでも多く余剰金を作り借金返済に充てることが大切です。

収支の見直し・改善を行い、それでも解決しない場合は、債務整理手続きを検討してみた方が良いでしょう。

債務整理はいくらからできる?

任意整理や自己破産などの「債務整理」には、いくらからというような最低金額は特にありません

借金の額が少なくても多くても利用出来るので、仮に借金が5万円でもやろうと思えばできます。

しかし、実際には借金があまりに少額にもかかわらず債務整理をすると、かえって損をすることがあります

費用や手間を考えると無駄なこともある

債務整理をするとき、個人が自分で対応するのが困難なので、通常は弁護士事務所や司法書士事務所に相談依頼します。

まず、その際の費用相場をみてみましょう。
任意整理と自己破産の費用相場

上記の着手金と、債務整理で減らせる金額をそれぞれ比較してみます。

●任意整理の場合
任意整理は、貸金業社に対して将来利息(これから元金と共に支払うはずだった利息)をカットもしくは大幅減額する交渉を行い、交渉後の金額を3〜5年の長期分割で支払う手続きです。

この手続きの中で、過払い金(過去に払いすぎた利息)がないかを調べることもでき、過払い金が発生していた場合はその分が交渉後の金額から減額されます。

つまり、過払い金がなければ、借金の減額幅は将来利息のカットもしくは大幅減額が出来る程度です。

借金の額が大きければその分将来利息も多くメリットがありますが、少額の借金で任意整理を行うと、払う費用の方がカットできる利息より多い可能性が高くなります

例えば、1社30万の借金があり、毎月1万7000円ずつ支払いをしているとします。年間の利率が18%の場合、完済までに払う将来利息の総額は5万円程度の計算です。過払い金がなく将来利息のみカットとなる場合、自力で完済を目指す方が良いかもしれません。

自分の借入れの場合はいくらの将来利息が発生するのかを確認し、上記のように任意整理の費用相場と比較してみるのも判断材料のひとつです。

●自己破産の場合
自己破産は、財産を手放す代わりに借金を全て0にする手続きです。

上記費用相場の表の通り、自己破産手続きの場合の費用は、債権者数や本人所有の財産内容などによって大きく変わってきます。

ただ上記の表より、最低でも15〜20万円程の費用が必要ということがわかります。

さらに自己破産は任意整理に比べて、裁判所に出向いたり書類を準備したりする手間がかかります。

手間をかけ、最低でも15~20万円の着手金+その他実費を支払って、30万円以下などの少額の借金を自己破産手続きするのは基本的に意味がないと言えます

トピック〜同時廃止と管財事件(少額管財制度)について〜
自己破産は、裁判所に申立てをして借金を0にしてもらう手続きです。その代わりに、最低限必要な分以外の財産は換価処分され、その金銭は債権者に弁済として配当されます。

この財産の調査や管理・処分、そして配当などを行うのが破産管財人です。

破産管財人がつく自己破産手続きを管財事件、財産がない場合などの破産管財人がつかない自己破産手続きを同時廃止事件といいます。

破産手続きは基本的に管財事件となり、同時廃止事件になるのは例外的と考えた方が良いでしょう。

しかし管財事件では一般的に、破産申し立てのために裁判所に納付する予納金が多大に発生してしまうため、「借金で苦しいから自己破産して経済的に立て直す」という目的に対し矛盾する場合があります。

そこで、法人ではなく個人の自己破産では、管財事件でも少額管財制度が用いられることがあります。これは破産管財人の業務を簡素化し予納金を抑える制度で、本当に困っている人が破産手続きをより利用しやすくなることが目的です。

ただ、少額管財制度が適しているかは債権者数や財産の内容などによっても異なりますし、申し立てをする裁判所で少額管財制度の運用が一般的でない場合もあります。

自分の自己破産手続きが同時廃止事件になるのか管財事件になるのか、少額管財制度を利用できるのかといった部分は、弁護士や司法書士などの専門家に相談しなければ明確にはならないでしょう。

それでは、少額の借金を債務整理した方が良いのは、一体どのような場合でしょうか?

具体的な金額と共に考えてみましょう。

借金30万円でも任意整理のメリットがある場合とその注意点

30万円やそれ以下などの少額借入れで、任意整理を行ってメリットがあるのは、以下のような場合が考えられます。

少額の債務を任意整理してメリットがある場合

  • 過払い金が発生している
     →今ある借入れ残高から過払い分を減額できます。
  • 滞納して債権者が一括請求をしてきている
     →滞納したことにより発生した遅延損害金を、カットもしくは減額する交渉ができます。さらに、交渉により一括請求されている金額を分割払いに戻せる可能性があります。
  • 返済中にも関わらず、意志が弱く借りてしまう
     →ブラックリスト状態になることで、これ以上借入れができなくなり返済に集中できるようになるので、任意整理を検討しても良いでしょう。

ブラックリスト状態について詳しい記事はこちら

少額過ぎる分割払いは受け入れない業者があるので注意

任意整理は、理屈上はいくらからでも可能ですが、実際にはあまりに借金が少額の場合、債権者がこちらの提示した条件に応じないケースがあります

はじめから借金額が少ないと、任意整理で分割払いにするとどうしても月々の返済額が少額になってしまいますが、債権者は少額の返済額だと認めない場合があるのです。

また、借金総額が少額である場合、借りてからの期間が短い場合も多いですが、借りてから3ヶ月以内(1回も支払っていない、1〜2回しか支払っていない)などあまりに返済期間が短い場合、債権者が任意整理の交渉に応じてくれない可能性が高いです
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借金100万円でも自己破産のメリットがある場合とその注意点

前述したとおり、30万円以下などの金額を自己破産するのは基本的に意味がありません。しかし、100万円の場合はどうでしょうか。

任意整理では返済が残りますが自己破産では0にしてもらえるので、収支状況からしてどうしても継続して返済ができない場合、総額が100万円程度やそれ以下でも自己破産する人はいます。

100万円程度の金額で自己破産を行ってメリットがあるのは、以下のような場合が考えられます。

少額の債務を自己破産してメリットがある場合

  • 生活が苦しく、任意整理の計画では支払いきれない
     →自己破産では借金を0にしてもらえるため、返済計画は必要ありません。
  • 生活が苦しく、任意整理の計画では支払いきれない
     →特に生活保護を受給する必要がある場合は、毎月受給する金額(国のお金)から個人の借金を返済することは認められていないため、生活保護の申請前に借金を解決するよう言われます。

ケースワーカーの助言

法テラスで依頼する場合も弁護士費用は発生するので注意

生活保護を希望するなど生活が苦しい人が自己破産手続きを行う場合は、基本的には「法テラス」という機関を利用することになるでしょう。

法テラスは国によって設立された、法律に関する相談窓口です。

収入制限などの条件を満たせば、債務整理も比較的安い費用で対応してもらえますし、費用を立て替えしてもらいその後長期間の分割払いができる制度もあります。
(参考:弁護士費用・司法書士費用の目安ー法テラス)

ただ、法テラスでも自己破産の費用自体は、基本的に最低15万円ほど発生します。

借金100万円で個人再生をするのはメリットがない

個人再生は、裁判所に申立てをして、借金の総額を圧縮してもらう手続きです。

債務が5分の1または100万円にまで圧縮されるケースが多数ですが、債務総額によって圧縮額が変わります。
個人再生の圧縮額一覧

このように、個人再生では最低弁済額が決まっており、100万円以下には圧縮されません

このことから、100万円以下の借金で個人再生をするメリットは基本的にはないと言えます

少額の借金相談はどんな専門家にしたらいいの?

借金の解決方法については、弁護士や司法書士といった専門家に相談するのが良いでしょう。

前述したように、借金が少額なら債務整理をしても意味がないケースがありますが、メリットがないにも関わらず、契約のために任意整理などの提案を強引にしてくる弁護士・司法書士事務所の事務員などが稀にいます。

今の生活状況を確認したり、将来利息と費用を照らし合わせたりしてきちんと「本当に債務整理をした方がいいのか」を考えてくれる弁護士・司法書士事務所に相談しましょう

目安としては、収入や支出など生活状況の確認をしない・または相談窓口で費用説明を詳しくしないで債務整理を提案してくる事務所などに依頼をするのは避けた方がいいでしょう。

借金の額が少額でも、気兼ねせず相談してみてください

しっかりとした事務所なら、馬鹿にしたりせず誠実に対応してくれます。「債務整理しない方がいい」と言われたら、安心して返済をしていけばいいのです。

ここまで様々なことをお伝えしてきましたが、「債務整理をすべきか」「何の手続きが最善か」などは自分だけで判断できることではありません。

まずは債務整理専門の弁護士事務所などに相談してみましょう。

<解決事例>マイホームを手放さずに借金解決!C子さん(38歳 主婦 子供あり)

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