自己破産するとどうなる?手続き中やその後の生活でできること・できないこと

最終更新日:2020/07/15

監修

弁護士法人サンク総合法律事務所
弁護士 市川 正敏

弁護士法人サンク総合法律事務所 市川 正敏

自己破産するとどうなるんだろう…あれは?これは?
自己破産にはマイナスなイメージがあるけれど、実際どうなのかな…

こんな心配があり、自己破産を具体的に検討したいがなかなか前に進めない、ということはありませんか?

今回は、自己破産の手続き中やその後の生活においてできること・できないことについて解説していきます。

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自己破産のメリットとデメリット

借金の返済が苦しくなってしまったら、債務整理により解決できることが多いです。

債務整理にはいくつか種類がありますが、その中の一つに自己破産があります。

自己破産は、裁判所に免責を認めてもらうことにより借金の返済義務が免除される、つまり借金が0になる手続きです。

自己破産のメリットは

  • 借金の支払い義務が全額免除される
  • 債権者からの督促が止まる
  • 収入がなくても手続きできる

などです。

反対にデメリットは

  • ブラックリスト状態になる(ローンを組んだりクレジットカードを利用したりできなくなる)
  • 一定以上の財産は失われる
  • 職業制限を受ける場合がある

などです。

自己破産のメリット・デメリットについて詳しい記事はこちら:「債務整理とは?任意整理、個人再生、自己破産の費用とメリット・デメリット〜債務整理で借金生活から脱却する!〜」

自己破産によって社会生活ができなくなるということはない

自己破産の目的は「破綻した生活を立て直すこと」です。
(参考:破産手続きに関するQ&Aー裁判所

「自己破産をしたら一巻の終わり」と考えている人もいますが、もし自己破産をして生活ができなくなってしまったら、そもそもの目的から外れてしまいます。

悩みを無くし、生活を取り戻すことを目的としているため、自己破産によって社会生活ができなくなるということはありません

しかし、状況次第で制限されることもあります。

自己破産は弁護士に相談しながら進めていくのがベストですが、自己破産をすることでできなくなること、逆に問題なくできることを事前に知っていれば、本当に手続きをすべきかどうかある程度判断できますね。

ここから、自己破産を検討している方に多い悩みを紹介していきます。

自己破産すると官報に載って周りにバレる?

自己破産をすると「官報」にその情報が載ります

官報は国が発行する機関紙(新聞のようなもの)で、法令等の政府情報の公的伝達手段として重要な役割を果たしています。

記事内容は法律や条約などの新たな決定事項、競売物件の入札・落札情報、国家資格の取得者、また失効したパスポート番号など様々で、ここに裁判所で行われた破産や再生手続きに関する内容も掲載されます。

自己破産をした場合、官報に掲載される具体的な情報は

  • 事件番号
  • 自己破産した人の住所
  • 氏名
  • 破産決定の日時
  • 裁判所名

などです。官報を見ることができる場所は

です。
つまり、誰が自己破産したかは見ようと思えば誰でも見られる状態にあります。

知り合いにバレたら困る…自己破産はやめよう!
と考えた人もいるかもしれません。しかし官報だけを理由に自己破産の検討を止めるのは、あまりにデメリットが多いと言えます

なぜなら、一般の人のほとんどは、官報を知らないし見たこともないからです。

この記事を読んでいるあなたも、「官報」という言葉を初めて知った、もしくは借金に悩み自己破産などを考え始めてから知ったのではないでしょうか?

普段から官報を見ているのは、仕事柄官報に掲載されている情報が必要な人くらいです。

さらに、官報は毎日発行されており、個人の自己破産は平均して1日に200件ほど行われています。
(参考:第108表  破産既済事件数  破産者及び終局区分別  全地方裁判所ー平成26年度 司法統計)

前述したようにインターネット官報もありますが、グーグルなど検索エンジンで人名を検索してもインターネット官報に載っている情報は表示されないようになっています。

ですので、自己破産をして官報に載っても、知り合いや職場の同僚に偶然知られる可能性は非常に低いと言えます。

自己破産すると携帯電話は解約になる?新規契約できる?

自己破産では全ての借金をゼロにする代わりに、一定以上の財産がある場合はお金に換えて債権者(貸主)に配当されます。

ただし裁判所で、生活のため必要不可欠と判断されている一定の財産は自由財産といって、お金に換えずに持ち続けることができるようになっています。

携帯電話・スマホは生活に必要なものなので、基本的には手元に残して使い続けることができます

しかし以下の場合は携帯電話・スマホが解約になる可能性があります。

通信費を滞納している場合

毎月の通信費の滞納があると、それも免責対象(自己破産で0にしてもらう借金の1つ)になるため、携帯会社としては「通信費は払わないのに携帯電話だけ使い続ける」ことに当然納得せず、強制解約されてしまうことがほとんどです

携帯・スマホの機種代金の支払いが済んでいない場合

携帯電話の機種代を通信費と一緒に毎月分割払いしている人も多いです。

機種代の分割はローンと同じ扱いなので、免責対象になります。するとやはり①と同じ理由で基本的には強制解約になりますが、携帯会社によっては解約せずそのまま契約維持する場合もあります

それでは新規契約についてはどうでしょうか?

自己破産後、携帯電話・スマホの新規契約自体は問題なくできますが、ブラックリスト状態になることにより、機種代の分割払いは手続き後数年間難しくなります

ブラックリスト状態についての詳しい記事はこちら
債務整理後、携帯・スマホの分割購入ができなくなることと対処法についての記事はこちら

自己破産すると奨学金の支払いもなくなる?

日本学生支援機構などからの奨学金を借りている場合、その支払いも免責対象となり、自己破産によってなくなります

ここで注意したいのが、保証人への影響です。

奨学金は多くの場合、親や親戚などが保証人になっています。自己破産で本人に支払い義務がなくなったら、今度は保証人に対して残額の請求が行われてしまいます(基本的には一括請求となります)

保証人が請求された残額を一括で返済できる能力があれば問題ないのですが、できない場合は、基本的には一緒に自己破産手続きをすることになります。

ちなみに日本学生支援機構の奨学金には「人的保証」と「機関保証」があり、契約時に機関保証を選んでいれば、保証機関が代わりに保証するため保証人をつける必要がありません。
(参考:保証制度の選択ー日本学生支援機構JASSO

自己破産の際の、保証人への影響は?

奨学金の保証人への影響は前述した通りですが、銀行や信販会社などのローンについている保証人への影響も同じです。

自己破産で本人に支払い義務がなくなれば、基本的にその全額が保証人に一括請求されます

「自己破産をする際に保証人つきの借金だけ申告しない・もしくは全額返済してしまえば、保証人に迷惑をかけないのでは?」と考える人もいるでしょう。

しかし、そのようなことは原則できません。

自己破産には「債権者平等の原則」があるためです。これは、債権者(借金している業者)を全て申告しなければならない、特定の債権者にだけ優先的に返済してはいけないというルールです。

自己破産の手続き中、信用情報(どこからいくら借りているかなど借金の情報)と財産の状況は必ず細かく調べられます。

もし特定の債権者に返済をした場合、大きな金額が動くのですぐにわかってしまうのです。

「債権者平等の原則」が破られた場合は、借金が免責されない、つまり自己破産ができない可能性が非常に高いです。

借金生活から抜け出し、確実に再スタートを切るためには、ごまかさず誠実に対応する必要があります。不安がある場合は、依頼する弁護士などに相談しながら進めましょう。

自己破産すると生命保険・学資保険を解約する必要がある?

積み立て型で、解約すると「解約返戻金」といって積み立てた金額の一部が返ってくる生命保険があります。

自己破産の申し立て段階で20万円以上の解約返戻金がある生命保険は解約が必要になる可能性があります。この返戻金は債権者に配当されます。

学資保険は積み立て型なので、同じく20万円以上の解約返戻金がある場合は解約し債権者に配当することになります

もし、契約者名義を子供にしていても、毎月支払い積み立てしてきたのが破産する本人であれば本人の財産とみなされ、原則解約の対象となってしまうのです。
※学資保険については特例で継続できる場合も稀にあるので、こちらも弁護士に一緒に相談してみましょう。

つまり、掛け捨て型の生命保険と、解約返戻金が20万円未満の生命保険・学資保険を解約する必要はありません

自己破産手続きの初期段階で、加入している保険をもれなくチェックし、不明な点は保険会社に問い合わせする必要があります。

20万円以上の解約返戻金がある生命保険や学資保険がある場合にはまず、依頼する弁護士に申告しましょう。

賃貸物件に住んでるけど追い出されない?自己破産後の引越しはできる?

まず、自己破産をしたことが原因で賃貸物件を追い出されることはありません

以前は、借主が自己破産をすると貸主は賃貸契約を解除することもできました(民法旧621条)。しかし、平成17年に法律が変わり、自己破産をしても契約解除はできないということになりました。

自己破産で生活の立て直しを目指す債務者にとって、住宅は重要な生活基盤であるためです。

ただし自己破産に関係なく、家賃を滞納すると契約解除になる可能性が高いので、苦しい状況でも家賃の支払いは滞らないよう注意しましょう。

そして引越しについてですが、自己破産後の引越しは希望通りにはできない可能性があります

賃貸住宅には、借主が家賃を滞納した時にその金額を立て替え、貸主の代わりに請求する「保証会社」がついていることが多いです。

いくつかの保証会社は、ブラックリスト状態の人を「支払い能力に問題がある」として審査に通さないことがあります。

また、家賃の支払い方法がクレジットカード引き落とし限定になっている場合があります。この場合も、ブラックリスト状態だとクレジットカードを利用できないので、契約することができません。

この場合は、不動産会社に支払い方法を銀行やデビットカードからの引き落としなどに設定できないか相談してみる、または別の物件を探してみるのが良いでしょう。

自己破産による結婚相手への影響は?

自己破産しても結婚することは問題なくできます

実際、借金をきれいにしてからの結婚を考えているという人は少なくありません。

しかし、自己破産をしてから結婚すると結婚相手にバレないか?影響が出ないか?など心配ですよね。

まず自己破産自体は、特に結婚する際に申告する必要があるわけではないので、言わなければバレないと思っていいでしょう。ただし、興信所の身元調査などにより発覚することもあるため、注意が必要です。

また、自己破産をすることによる結婚相手への直接的な影響はありません

たとえば本人と結婚相手の戸籍や住民票に自己破産について記載されたり、結婚相手がローンを組めなくなったりということは基本的にありません。

しかし、自己破産した本人はブラックリスト状態となります。

自己破産してから数年間は、希望通りの賃貸住宅に入居できない可能性や、住宅ローンが組めないというデメリットがあります(結婚相手とのペアローンも組むことができません)

自己破産したことを内緒にして結婚したとしても、あとあと「ローンが組めない」「クレジットカードを持っていない」などのブラックリスト状態が原因で怪しまれたり、バレたりする可能性は0ではありません。

だからと言って、自己破産をせずに借金に苦しんでいる状態で結婚したとしても、毎月の多額の返済や請求がありますので、借金を内緒にし続けることは難しいでしょう。
それどころか、結婚相手にまでひっ迫した生活を強いることにもなりかねません。

打ち明けるかどうかは本人次第ですが、返済が困難な場合は、自己破産などで借金問題を解決してから結婚するのが最善といえます。

関連記事:債務整理をした場合の配偶者の影響についてはこちら
「夫婦のどちらかが債務整理!配偶者の信用情報はどうなる?」

自己破産と離婚の関係

まず、自己破産したからといって離婚する必要はありませんし、配偶者もそれだけを理由に離婚することは基本的にできません

また、前述したように自己破産が配偶者に与える直接的な影響はないため、自己破産後に離婚する意味もありません。

ただ、離婚後すぐに自己破産をしたいと考えている人は、注意が必要です

離婚の際は通常財産分与といって、持ち家や車、家財などの夫婦共有にしていた財産を分割します。

自己破産の直前に財産分与そして離婚をしていると、財産を配偶者に渡し自己破産後に返してもらう「財産隠し」を企んでいるのではないかと疑われてしまう可能性があるのです。

離婚後の自己破産のタイミングなどでお悩みの場合は、依頼する弁護士に相談しながら慎重に対応しましょう。

税金や養育費・慰謝料は自己破産しても支払い義務がなくならない?

自己破産をすれば基本的には全ての借金が免責されて支払い義務がなくなりますが、一部支払い義務がなくならない非免責債権というものがあります。

税金や養育費・慰謝料はこの「非免責債権」にあたるため、自己破産後も支払い続ける必要があります

税金を滞納している場合は自己破産後も請求がきますし、無視していれば給与などが差し押さえになる可能性もあるということです。

非免責債権には他にも、損害賠償金や罰金などがあります。

自己破産すると反省文を書かされる?

自己破産で裁判所に必ず提出する書類のなかに反省文はありません。しかし、必要と判断された場合、提出を要求されることがあります

反省文を提出する場合は、債務整理をすることに対してどう思っているのか、今後どのように生活を改善するのかなどを記述します。

また、「陳述書」という書類は必ず提出する必要がありますが、こちらは借り始めた時期や生活状況などの事実を明確にするためのもので、本人の気持ちや考えを伝えるものではありません。

反省文が必要かどうか、また書き方などは依頼した弁護士などに教えてもらえます。

自己破産すると銀行口座が凍結される?開設はできる?

自己破産をしたことで、持っている銀行口座が全てもしくはランダムに凍結されることはありません。

ただ、口座を持っている銀行から借金をしていた場合のみ、免責対象となるその銀行の口座が凍結されます

凍結されてから2ヶ月程度で解除されることが多いですが、銀行によってはその後そのまま口座が解約になってしまうこともあります。
ちなみに家族の口座が凍結になることはありません。

自己破産後に、免責対象となる銀行とは別の銀行で新たに口座を開設することは問題なくできます

自己破産すると海外旅行ができなくなるって本当?

自己破産したことによって海外旅行ができなくなるということはありません

免責決定が下りて自己破産手続きが終了した後は、特に制限なく海外旅行をすることができますし、パスポートが処分されたりすることもありません。

ただ、裁判所を通じて手続きをすることから、手続き中に長期間居住地を離れることが制限されます。

自己破産すると選挙権がなくなるって本当?

自己破産をすることで選挙権がなくなることも制限されることもありません。

自己破産すると就職に影響がある?

自己破産には資格制限があり、該当する職業は一定期間できなくなりますので注意が必要です

該当する職業は多岐に渡りますが、たとえば警備員、生命保険の外交員、宅地建物取引主任者(宅建業)などです。

自己破産をした際の職業制限について詳しくはこちら

該当する場合、免責許可が決定する(自己破産が完了する)までは就職を待った方が良いでしょう。

就業中の場合は、基本的に仕事を辞める必要まではないですが、その資格を使わない部署に一時的に移ったり、休職したりする必要があります。

資格制限に該当しない職業への就職は特に何の問題もなくできます

自己破産をしたかどうかを就職先の企業が知る術としては基本的に官報を閲覧するしかありません。

前述した通り官報をくまなく調べるのはかなりの時間と労力を要するため、企業が身元調査のためだけに官報をチェックするということは考えづらいでしょう。

信用情報(個人の借金の状況)は基本的に本人か金融機関しか見ることができません。

もし、就職先が金融機関であっても、採用時の身元調査のために信用情報を利用することは「目的外利用」となってしまうためできないのです。

そもそも資格制限の対象外の職業では、面接時に「過去に自己破産をしましたか」と聞かれることはほぼないでしょうから、そのことをわざわざ伝えたり、履歴書に書く必要はありません。

さらに、一般的には家族の就職が制限されることもありませんのでご安心ください。

自己破産後に取り立てされることはある?

免責許可が決定し、これによって免責された債務については、銀行や消費者金融などの金融機関からの取り立ては行われなくなります

個人からの取り立てについても、破産法によって方法が厳しく制限されています。

もし破産後に取り立てがあった場合は、依頼した弁護士などに相談しましょう。

<解決事例>マイホームを手放さずに借金解決!C子さん(38歳 主婦 子供あり)

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