自己破産したら車はどうなる?車を使い続けたい場合の対処法

最終更新日:2021/04/26

監修

弁護士法人サンク総合法律事務所
弁護士 堀川 民人

弁護士法人サンク総合法律事務所 堀川 民人

車に乗る家族

「自己破産したら車は必ず手放さなければならないのか?」

「自己破産をしたら車のローンが組めなくなるのか?」

借金が苦しく、自己破産を検討している方は上記のようなことが気になるのではないでしょうか?

今回は自己破産したら車がどうなるのか、車を使い続けたい場合の対処法、自己破産後に車のローンは組めるのかなどを解説します。

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この記事の要約
自己破産で車を手放す主なケース
・車に一定以上の価値がある場合
・車のローンが残っている場合

自己破産前にやってはいけない主な行為
・車のローンを弁護士などに申告しない
・弁護士などに依頼後に車のローン残債を本人が返済する
・車を勝手に処分する
・車の名義を変更する

車を残したい場合の対処法
・第三者にローン残債を返済してもらう
・破産以外の債務整理を検討する など



自己破産しても車に乗ることはできる

まず、自己破産したら車に乗れなくなるというイメージをお持ちの方も多いですが、自己破産をしても運転免許は剥奪されませんし、運転を禁止されることもありませんので安心してください。

ただし、これから解説していきますが、自己破産することによって使用していた車を手放す必要がある場合もあります。

自己破産で車を手放す・手放さないの基準

それではどのような場合に車を手放す必要があるのでしょうか?また、どのような場合は車を手放さなくても良いのでしょうか。

こんな場合は、自己破産することで車を手放す必要がある!

自己破産で車を手放すケースは主に以下です。

  • 車に一定以上の価値がある場合
  • 車のローンが残っている場合

それぞれ詳しく解説していきます。

車に一定以上の価値がある場合

自己破産をすると、生活に必要な最低限を超える財産がなくなります。破産者のめぼしい財産は現金化されて債権者に配当されるからです。

どのくらいの価値の財産が残せるのかという基準は、全国の裁判所によって微妙に異なります。

たとえば東京地方裁判所では「現金なら99万円まで、預貯金や保険・車などの個別の財産については20万円まで手元に残せる」という運用です。この場合、車の価値が20万円を超えると手放さなければならなくなります。

その他の裁判所で多い運用としては「財産総額が99万円分まで」というものです。なので、車と他の財産の価値が合わせて99万円分を超える場合は、車を手放さなければならない可能性があります。

具体的にどの財産が残せるかなど、気になる点は弁護士に相談してみましょう。

車のローンが残っている場合

ローンで車を買うと、車に所有権留保の特約をつけられるケースがあります。所有権留保とは、ローン完済時まで車の所有権をローン会社に残しておくことを意味します。

返済を滞納したらローン会社が所有権にもとづいて車を引き上げることができます。ローン会社はこのように返済滞納リスクを防いでいるのです。

破産をしようというときに、所有権留保がされていると、その車自体の価値に関わらずローン会社は所有権にもとづいて車を返すよう請求することができます。なので、破産の開始前後で、車を取り上げられてしまうことも有り得るのです

ローン中の車に所有権留保がついているか調べるためには、契約書等を見ることになりますが、簡単に確認したいのであれば、ときは、車検証の「所有者名」や「使用者名」の欄を確認してみましょう。所有者名が信販会社などの債権者名になっていたら、所有権留保がついているということです。

所有権留保がなければ、たとえローン支払い中であっても、自己破産しようとすることによって債権者に車が引き上げられるということは、必ずしもありません。

所有権留保がない場合は主に以下が考えられます。

  • ローンの支払いが終わった
  • 初めから所有権留保特約が付いていない

こんな場合は、自己破産しても車を手放さなくて良い!

それでは逆に、自己破産しても車を手放す必要がないのはどのようなケースでしょうか。

自己破産しても車を手放さなくて良いケースは主に以下です。

  • 車の名義が家族などの場合
  • 車の価値が一定額未満の場合
  • 裁判所が許してくれる場合

それぞれ詳しく解説していきます。

車の名義が本人以外の場合

自己破産で問題になるのは、原則として、本人名義の財産のみです。

もし普段使用している車が家族名義であれば、自己破産をしても使い続けることができます。

なお、後で述べるように、現在自分の名義になっている車を家族の名義にすることが許されない場合もあるので、ご注意ください。

車の価値が一定額未満の場合

先述した通り、自己破産をすると一定以上の価値がある財産が現金化され、債権者に分配されます。

つまり、財産の価値が一定額未満であれば現金化されないということになります。管轄の裁判所が定める規定に基づいて計算し、車の価値が一定未満であれば手元に残せます。

裁判所が許してくれる場合

一定額以上の価値がある自分名義の車も、裁判所が特に許してくれる場合には、手放さなくてよくなります。

裁判所が許してくれる場合としては、

  • 車の価値分のお金を裁判所に支払う場合
  • 車の価値分の他の財産を手放す場合
  • 生活が特に苦しい、病気持ちであるなど、他の破産者よりも財産を多く残しておく必要がある場合

などが考えられます。

ただし、実際に裁判所が許してくれるかは、個別ケースごとの判断になりますので、ご注意ください。

ここまで詳しく解説してきましたが、車を手放す必要があるかないか、現実的にアドバイスを聞きたい場合は弁護士に相談してみましょう。

自己破産前にやってはいけないこと


自己破産前に、財産を不当に処分したり、隠したりすることは財産隠しとみなされることがあります。

財産隠しが発覚すると

  • 免責許可がおりない(借金がなくならない)
  • 弁護士に辞任される
  • 詐欺破産罪等の罪に問われる

などのリスクが発生します。

では、具体的にどのような行為が財産隠しとみなされるのでしょうか。車に関連して、破産手続き前や手続き中にやってはいけないことを解説します。

車のローンを申告しない

自己破産の際は、個人も含め全ての債権者を弁護士に申告する必要がありますが、このときに車のローンを申告しない行為です。

隠すと、破産をしても、そのローンを返す義務がなくなりません。また、隠しても、管財人の調査などにより発覚して最終的に車が引き揚げられることもありますし、破産手続が失敗するおそれもあります。

車のローンがあることは弁護士に必ず申告しましょう。

ローン残債を本人が返済する

車のローンの残債を、弁護士に依頼後などに返済してしまう行為も禁止されています。

また、弁護士に依頼する前だったら問題がない、とは言い切れないので、車のローンの残りがほんの少ししかない場合であっても、弁護士に対処法を相談して対応するのが良いでしょう。

車を勝手に処分する

債権者が不利益になってしまうのに車を廃車したり、安く売ったりなどすると、先述のリスク(免責されない、犯罪となる)が生じる可能性があります。

もちろん、車を適正価格で売るなど、処分をしても許される場合もあります。ケースバイケースなので、弁護士などに相談した方が無難です。

車の名義を変更する

自己破産では本人名義の一定額以上の財産が処分されるので、それなら名義を家族などに移してしまえばよいのではと考える方もいます。

しかし、これも、上で述べた、車の処分の一例ともいえます。自己破産の直前や手続き中に、意図的に車の名義を変更する行為は禁止されています。上述のように、適正価格で売る場合などはともかく、名義移転を仮装するのは絶対にやめましょう。

車を残したい場合の対処法

債務整理 財産
以上を読んで、自分は車を手放さないといけないと思われる方は

「借金問題を自己破産で解決したいけど、車は必要だし…どうしたらいいんだろう」

とお悩みになるかもしれません。

そこで、そのような状態でも車を残したい場合の対処法を解説します。

車のローンを第三者により弁済する

まず、車のローンを親戚などの第三者に弁済してもらうという方法があります。

自己破産前や自己破産中に、本人がローン残を弁済すると偏ぱ弁済(一部の債権者にのみ偏った返済をした)とみなされることもあり、手続き上不利になる・免責が通らないなどのリスクが発生します。

しかし破産者本人でない第三者が、債権者に直接残債を支払う行為は、直ちに偏ぱ弁済にはなりません。

ただし、破産する人と家計を同じくする人が返済をする場合とか、第三者からお金を援助してもらった上で破産する人が債権者に返済をする場合とかには、偏ぱ弁済とされるおそれもあります。注意しましょう。

このように、車を残したい方で親戚などに頼れる方がいるのであれば、相談してみることも検討してみましょう。

他の債務整理を検討する

車をどうしても残したいと考えている場合、自己破産以外の債務整理を検討するという選択肢もあります。

債務整理には、主に自己破産・個人再生・任意整理があります。

・個人再生
個人再生は、借金が支払えない状態になった時に、債権者や裁判所に認めてもらって借金を大幅に減額する手続きです。

借金が免除されゼロになる自己破産とは違い、個人再生においては、減額された借金を3年から5年の間で分割して返済していきます。

個人再生では、財産を所有しながら借金を圧縮できるケースがあります。評価額と同じ額を弁済すれば車などの財産を守ることが可能です。

ただし、例えば、所有権留保がされている場合など、常に車を残せるわけではない点には注意しましょう。

・任意整理
任意整理とは、債権者(借金の貸主)と交渉して将来生じることになっている利息をカットもしくは大幅減額してもらったり、返済計画を長期にしてもらうなどすることで、返済の負担を軽くする手続きです。

裁判所を通じて行う手続きではなく、返済方法についてあくまで裁判所の外で債権者と話し合う手続であるため、手続きが比較的簡単です。

また、任意整理では対象にする債権者を選ぶことができます。車のローン支払い中であればそのローン会社を対象から外して手続きを行うことで、車を残すことができます。

さらに、所有権留保などがされておらず、車が引き揚げられるおそれがない場合には、車のローンの債権者も対象にして、任意整理をすることも有効な方法です。

手続き後、また車のローンを組むことは可能?

自己破産後に車のローンを組むことは可能です。

ただ、自己破産により借金がチャラになった後5~10年ほどはローン会社やクレジットカード会社の審査に通りづらい状態になります。いわゆるブラックリストに載るのと同じような状態です。

また、自己破産した会社とそのグループ会社で車のローンを組もうとしても、自己破産したという履歴が社内で残っており、審査に通らない可能性もあります。

自己破産後の借入について詳しい記事はこちら:「債務整理(自己破産や任意整理など)をした後に借入れする場合の注意点

まとめ

自己破産で車を手放すケースは主に以下です。

  • 車に一定額以上の価値がある場合
  • 車のローンが残っている場合

自己破産しても車を手放さなくて良いケースは主に以下です。

  • 車の名義が本人以外の場合
  • 車の価値が一定額未満の場合
  • 裁判所が許してくれる場合

自己破産前にやってはいけない行為は主に以下です。

  • 車のローンを弁護士などに申告しない
  • ローン残債を本人が返済する
  • 車を勝手に処分する
  • 車の名義を変更する

車を残したい場合の対処法として、第三者にローン残債を返済してもらう、他の債務整理を検討するなどがあります。

自己破産は複雑な手続きです。車が残せるかどうかや、車がある場合の対応方法などは個人で判断せずに弁護士に相談しましょう。

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