【夫婦で自己破産の危機…どうしたら良い?】夫婦で借金を返せない場合の対処法は?

最終更新日:2021/12/21

監修

弁護士法人サンク総合法律事務所
弁護士 市川 正敏

弁護士法人サンク総合法律事務所 市川 正敏

家計 やりくり

夫婦とも借金問題を抱えていると、どちらかひとりだけ破産したほうが良いのか、あるいは夫婦2人とも破産したほうが良いのか、自己破産後の生活はどうなるのかなど、不安に感じていることが多くあるでしょう。

そこで今回は、夫婦の借金はどのようなケースで増えるのか、どのような対応をすると良いのかについて解説します。

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この記事の要約
▼夫婦の借金問題を解決する方法として、任意整理・個人再生・自己破産といった債務整理があげられる

▼夫婦で自己破産を検討した方がいいケースは、たとえば以下のような場合
・持ち家がなく、4~5年以内の分割払いができない
・自営業者で4~5年以内の分割払いができない
・1日でも早く生活を立て直したい
・家などの財産名義を夫婦で共有している

▼夫婦で債務整理を検討する際は、債務整理に詳しく、親身になってくれる弁護士に一緒に相談に行くことがおすすめ



夫婦で借金問題のお悩みを抱えるケースとは

まず、どのような経緯で夫婦2人とも借金を抱える状況に至ってしまうのかを紹介します。

夫婦共同経営で業績が悪化してしまった

パートナーへの影響

夫婦共同経営で業績が悪化してしまった場合、夫婦で自己破産を選択することが多いです。

会社員であれば自営業者と比較して収入が安定しており、家計のやりくりもしやすいのですが、夫婦で自営業を行っている場合、どうしても収入は不安定になりやすいです。

たとえば収入が高いときに生活水準を上げてしまい、収入が下がったときに生活費をまかなえなくなったり、収入が低い状態が続いて生活が苦しくなったりして、それぞれ個人で借金をすることが多いです。

このように、夫婦共同経営の場合は一般的な会社員夫婦と比べると家計のやりくりが難しく、借金を抱えやすいといえるでしょう。

家計管理をしている妻が夫の名義でも借り入れをしてしまった

カード

家計を管理している一方の配偶者が借り入れを増やしていくうちに、他方の配偶者の名義でも借金をしてしまうことがあります。

債務整理は借金の名義人本人しかできません。自分の債務整理だけでは解決できないくらい借り入れを増やしてしまったときは、夫婦で債務整理をする必要があります。

借金の保証人に配偶者を設定している

住宅 夫婦

住宅ローンや借入額の大きな無担保ローンなどは保証人が必要な場合が多いです。そして、その保証人に配偶者を設定することがよくあります。

しっかり返済できていれば問題はないのですが、返済が遅れたり、何ヶ月も滞納したりすると、原則として保証人である配偶者に請求がきます。

しかし家計を共にする夫婦ですから、保証人である配偶者に請求がきても支払えないケースがほとんどです。

保証人つきの借金は、借金総額が大きい場合が多いため、その残額を代わりに払ってくれる親族もいないという場合は、基本的には夫婦で債務整理を検討することになります。

借金が当たり前になってしまった

自転車操業

借金のある生活をしていると、初めは抵抗があった借金にもだんだん慣れてきて、「足りなくなったら借りればいい」という考えになってしまうことがあります。

その借金が、夫婦それぞれ、限度額いっぱいまでふくらんでしまったらどうでしょう。気づいた時には返済の目処が立たないような額になってしまったり、返済できず滞納してしまい、夫婦で自己破産を検討し始める場合が多いのです。

夫婦で借金を解決する方法①任意整理

任意整理

それでは、夫婦で借金を背負ったときの対処法を紹介していきます。最初に紹介する債務整理の方法は、任意整理です。

任意整理とは、債権者と直接交渉して解決を図る裁判外の債務整理方法をいいます。

大まかな流れとしては、まず弁護士から貸金業者などの債権者に受任通知を送付してもらい、直接の取立て行為をストップします。その後、返済条件の変更を交渉し、無理のない返済条件での合意を目指します。

合意ができたときは、「和解書」や「示談書」といった書面で内容を書面に残すことが一般的です。

任意整理ではうまくいけば和解後の将来利息をカットもしくは大幅減額してもらえたり、返済期間を3年〜5年程度に再設定してもらえたりします。

ローンを組んでいなければ、家や車などの資産を手放す必要はなく、手間のかかる裁判手続きを要さないメリットがありますが、借金元本の減額は難しく、必ずしも解決に至るわけではないことに注意が必要です。

例えば、以下のような場合に任意整理を検討すると良いでしょう。

  • 夫婦の借金総額がそれほど大きくない
  • 迅速に延滞状態を解消したい
  • 保証人を付けているので保証人に迷惑をかけたくない
  • 交渉する債権者を選択したい

夫婦で借金を解決する方法②個人再生

個人再生

2つ目に紹介する債務整理の方法は、個人再生です。

個人再生は将来にわたって継続的な収入のある人が利用でき、一定程度借金を減額したうえで、原則3年以内の分割返済計画を裁判所に認めてもらうものです。

先ほど紹介した任意整理は一般に「4~5年以内の完済」ができる場合に利用しますが、個人再生はそれができない場合に利用されます。

個人の債務で利用することが多い2種類の個人再生について、以下に概要を示します。

  • 小規模個人再生:債権者の同意が必要だが借金の減額は大きめ
  • 給与所得者等再生:債権者の同意は不要だが借金の減額は小さめ

なお、最大でどれほどまで借金を減額できるのかについては以下のとおりです。仮に借金が300万円の場合、最大で200万円減額されることを示しています。

負債総額 最低弁済額
100万円以下 負債の金額がそのまま残る(減額されない)
100~500万円未満 100万円
500~1500万円未満 負債総額の5分の1
1500~3000万円未満 300万円
3000~5000万円 負債総額の10分の1

※厳密には基準債権額などと呼ばれ意味合いも多少異なりますが、ここでは簡易的に「借金総額」と記載しています

個人再生の大きなメリットは、住宅ローン特則によってローンを組んだ自宅を手放さずに借金を減額できる可能性がある点です。

しかし、専業主婦は継続的な収入はないため、個人再生を利用することはできません。また、他の債務整理方法と比べて時間や手間がかかることには注意が必要です。

個人再生は、夫婦のどちらかが個人再生を利用すると、もう一方が自己破産を免れることができ、住宅ローンが残った家を残せる可能性があるときなどに有効といえるでしょう。

夫婦で借金を解決する方法③自己破産

最後に紹介する方法は、自己破産です。自己破産は端的にいうと裁判手続きを通じて借金をゼロにすることをいい、家や車など一定以上の財産は手放す必要があります。

ひと口に自己破産といっても同時廃止事件と管財事件の2種類があり、管財事件の場合には大まかに換価・配当・免責といった流れで自己破産手続きが進められます。

  • 同時廃止:債権者に配当する財産がない場合は換価・配当を経ずに免責
  • 管財事件:一定以上財産がある場合は財産を売却して債権者に配当した後、免責

「一定以上財産がある場合」というのは、地方裁判所によって異なるものの、現金・預金が50万円以下で、その他20万円を超える価値のある保険や自動車がない場合などです。

なお、ギャンブルや浪費といった免責不許可事由がある場合は、免責調査のために管財事件となることがほとんどです。

自己破産は税金や社会保険料、養育費などの非免責債権を除いて借金をゼロにできるという大きなメリットがある反面、持ち家など一定以上の価値がある財産は売却して債権者への配当原資とされることになります。

自己破産を夫婦で選択した方が良い状況とは

債務整理の方法として3つを紹介してきましたが、自己破産は最も借金を減額することができる反面、家や車を手放すことになってしまいます。

それでも、自己破産を夫婦で選択したほうが良い状況がありますので、確認してみましょう。

持ち家がなく、4~5年以内の分割払いができない

借金の総額を48回もしくは60回で割って、毎月その額を返済し続けることができない状況であれば、計算上任意整理をしても解決しないため、自己破産を検討することになります

仮に借金総額が540万円であれば、目安として任意整理だと毎月15万円を返済しなければなりません。毎月15万円の返済が不可能であれば、任意整理で解決を図ることはほとんど不可能といえるでしょう。

次に考えるのは個人再生と自己破産です。個人再生であれば借金を減額できる可能性があり、自己破産であれば財産を処分したうえで借金をゼロにできる可能性があります。

この場合、持ち家ではなく賃貸に住んでいて、その他価値のある財産を持っていないようであれば、個人再生を選択するメリットが特にないため、自己破産を検討すると良いでしょう。

自営業者で原則3年以内の分割払いができない

また、自営業者で原則3年以内の分割払いができない場合も夫婦で自己破産を選択したほうが良い状況といえます。

原則3年以内の分割払いができないのであれば、個人再生か自己破産のいずれかを検討しますが、個人再生は将来にわたって継続的な収入がある場合に利用できる債務整理の方法です。

もし自営業者であって、収入がゼロになる月もあったなどの理由により債務整理を検討するに至ったのであれば、個人再生を利用できない可能性もあります。

したがって、この場合には自己破産を検討せざるを得ません。

1日でも早く生活を立て直したい

1日でも早く生活を建て直したい場合は、自己破産を検討すると良いでしょう。

任意整理や個人再生は、手続きが終わった後、原則3年以内にわたって返済を継続するものです。一方、自己破産は半年程度の手続きを経て借金をゼロにします。

収入が大きく下がってしまった、事情があり無収入になってしまったなど、少しでも早く生活を建て直したい場合には自己破産を検討することがおすすめです。

家などの財産名義を夫婦で共有している

持ち家の名義が夫婦2人である場合は、夫婦そろって自己破産を選ぶ可能性が高いでしょう。

持ち家を保有しておきたい場合、夫婦両方で民事再生(住宅資金特別条項利用)をする選択肢もあります。こちらについてはこの項の最後でご説明します。

たとえば夫婦の一方が自己破産をするとき、処分されるのは一方の持分のみです。そこで取るべき選択肢はいくつかありますが、概要は以下のようになります。

  • 家を手放したくない:自己破産後にもう一方が持分を買い取る
  • 家を手放す:任意売却または競売にかける

自己破産後にもう一方が持分を買い取れば、その家に住み続けることもできますが、買い取る資力がない場合は難しくなってしまいます。

というのも、自己破産において持分が第三者に売却されたとき、その第三者から「共有分割訴訟」を提起される場合があるからです。訴訟の結果、家を売却して精算してしまうこともあり得ます。

以上のことから、頼れる親族がいない場合には結局家を手放さなければならない可能性もあるため、一方が自己破産をするときにもう一方も自己破産を検討したほうが良いこともあるのです。

住宅ローンの支払いは問題なくできる見込みで、その他の借金も減額すれば支払っていけるという状況であれば、夫婦で民事再生(住宅資金特別条項利用)をすることを検討しましょう

裁判所によって運用は異なりますが、たとえば東京地裁では夫婦同時に民事再生の申立てがあった場合に限って条項の利用を認めています。

ただし、夫婦で民事再生をして住宅を残しても、その後の収入が安定せず減額後の借金返済や住宅ローンの支払いができなくなっては意味がありません。

弁護士などの専門家に相談をして、最善の方法を模索することをおすすめします。

夫婦で必ずしも自己破産をする必要はない?それぞれ異なる債務整理も可能?

家計 やりくり

夫婦そろって自己破産をしたほうが良いケースを紹介しましたが、夫婦で別々の債務整理をすることも可能です。当然、一方だけ債務整理をして、もう一方は返済を継続することもできます

どのような選択をとるかは年齢や家計の状況などによって変わるため、弁護士に相談しながら決めると良いでしょう。

夫婦で債務整理する際は同じ弁護士に依頼した方がいい理由

夫婦で債務整理を検討する場合は、同じ弁護士事務所に相談・依頼することをおすすめします。

その理由は、その家庭にとって最善の解決方法をアドバイスしてもらえるからです。

弁護士は面談の際に夫婦の意向を確認し、家族単位での家計の状況(収入と支出の状況)と借金概要などから総合的に判断して、最適な手続きを提案します。

それぞれ個人で別の弁護士・司法書士に相談した場合、そのように最善策を包括的にアドバイスすることは難しいでしょう。

夫婦で債務整理を検討する際は、債務整理に詳しく、親身になってくれる弁護士に一緒に相談に行くことがおすすめです。

まとめ

夫婦ともに借金を背負っており、家計が苦しいとき、生活再建のためにも適切な方法でできる限り早く債務整理を検討することが重要です。

債務整理の主要な方法として任意整理、個人再生、自己破産がありますが、夫婦それぞれで別の方法を選択することもできますし、それぞれ効果や影響が異なります。

どの方法をとるべきかについては簡単に判断ができるものではないでしょう。夫婦一緒に、債務整理に特化した弁護士に相談することをおすすめします。

<解決事例>マイホームを手放さずに借金解決!C子さん(38歳 主婦 子供あり)

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