自己破産したら税金はどうなる?滞納している場合の注意点

最終更新日:2021/09/30

監修

弁護士法人サンク総合法律事務所
弁護士 淺海 菜保子

弁護士法人サンク総合法律事務所 淺海 菜保子

借金が免除となり、再スタートを切ることができる自己破産ですが、市民税や所得税、国民健康保険料などを滞納している場合、それらの滞納分も免除されるのでしょうか?
実際に、「税金が支払えないから自己破産を検討する」というケースはあります。
今回は自己破産をすると税金はどうなるか、また税金を支払えない場合の自己破産の有効性などについてお伝えします。

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この記事の要約
  • 自己破産をしても税金の支払い義務は無くならない。税金の支払い義務を無くすことは容易ではない
  • 税金支払いを滞納してもブラックリスト状態になることはありませんが、財産差押えの恐れがある
  • 税金を支払えない場合には、放置せず、分割で支払える額を計算し、税務署などの窓口に分納もしくは猶予の交渉をする



滞納している税金も自己破産すればなくなる?

書類を見て悩む人

市民税や所得税、国民健康保険料など、支払えず滞納している場合、自己破産すればそれらもなくなるのでしょうか?

自己破産をすると基本的に借金は返済不要になりますが、税金をはじめとする一部のお金は支払い続ける必要があります

滞納中の税金も自己破産で解決できれば確かに楽ですが、それを認めると、悪用する人が続出する可能性があります。そのため、巨額の税金の支払いに困っている対象者には厳しい現実ですが、自己破産で税金を免除にすることは認められていません。

このように自己破産でも免除されない支払いは、相手の側から見て、非免責債権と呼ばれます。

他の借金もかさみ返済が苦しい場合は別ですが、「税金の支払いができない」というだけの理由で自己破産しても、税金はそのまま残ってしまうのでメリットがありません。(ただし、一部の外国の税金が免除されることはあり得ます。)

むしろ、自己破産手続きをするとブラックリスト状態になるというデメリットが発生します。ブラックリスト状態になると、ローンを組んだりクレジットカードを作成したりするのが難しくなります。

税金の支払いのみで困っている場合に自己破産するのはデメリットしかありません。

税金を滞納するとどうなる?

税金を滞納すると、最終的には財産が差し押さえられる可能性が高いです。

  • 滞納してから数週間程度…督促状がくる(地方税については納期限後20日以内に発送。ただ、国税については原則として納期限後50日以内に発送。)
  • 督促を無視すると…催告状がくる
  • さらに無視すると…差押えのための財産調査が始まる
  • 差押え(給与・預金口座、不動産、車など)

※督促状送付のほか、催告や催告書送付、財産調査がなされることもあります。


滞納開始から差押えまでの期間も場合により異なりますが、法律では、督促状を発した日から起算して10日を経過した日までに完納しないときは、財産を差押えなどすることになっています。

税金滞納とブラックリストは無関係

いわゆるブラックリスト状態とは、信用情報機関に事故情報が記録されて、融資の審査に通りにくくなる状態のことです。クレジットカードやローン、携帯電話使用料などを数ヶ月滞納するとブラックリスト状態になることが多いです。

税金を滞納してもブラックリスト状態にはなりません

税金を滞納しても信用情報機関にその旨は記録されないからです。

自己破産などの債務整理をした場合は、信用情報機関に記録が残りブラックリスト状態となります。

税金の支払いが出来ない場合の対処法

面談

税金の支払いができない場合は、放置せず、分割で支払える額を計算し、窓口に分納もしくは猶予の交渉をする必要があります。

生活が苦しい場合、滞納している税金についても窓口で分納(月々分割で支払うこと)の相談に乗ってもらえるケースは非常に多いです。

どこに相談すればよいかわからないという場合は、以下を参考にしましょう。

【税金支払いについての主な相談先】
・国民健康保険と市民税…お住まいの地域の市役所・区役所
・国民年金…日本年金機構やお住まいの地域の年金事務所、役所の年金課・年金係
 

滞納した税金を支払わなくてよい方法は限られている

税金の支払いが苦しいと、なんとか支払いから免れる方法はないかと考えてしまいますよね。滞納している場合はなおさらです。

しかし、実際に税金の支払いから免れるのは簡単なことではありません。具体的には

  • 時効を待つ
  • 生活保護を受ける

という方法になります。

時効により税を徴収できなくなるのを待つ

国や地方団体が税金を徴収するのにもいわゆる時効があり、その期間は原則として5年です。

ここで知っておきたいのが、「時効は期間が延長されることもある」ということです。

時効の進行がストップし、改めて更新する場合は以下の通りです。

  • 国・地方団体が一定の方法で税金の支払いを求めてきた場合(例えば、「督促」など、税金特有の形もあります)
  • 強制執行等や仮差押え等
  • 納税義務者による承認(納税者が申告を行う、納税猶予の申請をする、税金の一部を納付するなどすると、そこから時効期間が再スタートする)
  • その他、更正など、税金特有の場合

つまり、税金の支払いを滞納後、税務署も納税者本人も特にアクションも起こさずに一定期間が経過すれば、いわゆる時効となり税金を支払わなくて良くなります

以上のほかにも、時間が経つことで国などの賦課権(確定権)が消えることもありえますが、割愛します。

いずれにしても、時間が経つのを待って納税を免れる方法は、納税者側がコントロールできるわけでないので、余り期待するべきではないことに注意しましょう。

生活保護を受ける

生活保護を現に受給している方は基本的に税金が免除になります(法律上、公課禁止が定められています)。

また、法律上、差押禁止となっており、基本的に税金を請求されることはありません。既に滞納処分がされていても、停止されることになります。

ただ、生活保護を受給するためには一定の要件を満たしている必要がありますし、生活保護を受給することで制限されることもあります(一定額以上の財産を所持したり収入を得ることができないなど)。

ここまで読んでみて、税金を支払わなくてよい方法はかなり限られており、簡単なことではないということがお分かりいただけたと思います。

滞納した税金については、やはり窓口で少しずつでも分割で支払っていく相談をするのがベストでしょう。

債務整理をすることで税金もゆとりを持って支払える場合がある

節約 おまとめ

債務整理は借金問題解決の方法として有効な手段であり、自己破産以外にもいくつか種類があります。

たとえば任意整理は、裁判所を利用せず、消費者金融や銀行・クレジットカード会社などの債権者と交渉をして借金を減額してもらう手続きです。

減額後の支払いは3〜5年間での長期分割となることがほとんどなので、毎月の返済額が少なくなるケースが多いです。

また、個人再生という手続きでは、裁判所・一部債権者に認められれば借金を5分の1など大幅に減額することができます。
借金が免除されゼロになる自己破産とは違い、個人再生では減額された借金を3年から5年の間で分割して返済していきます。

借金返済と税金の支払いがどちらも苦しいけれど、自己破産をすることができない事情があるという方は、任意整理や個人再生をすることで、税金の分納をする余裕が生まれるかもしれません。

債務整理について詳しい記事はこちら:「債務整理で借金解決!債務整理の種類やメリット・リスクとは

債務整理をした方いいのか、何の手続きが最善なのかなど自分だけで判断するのは困難です。お悩みの場合は、弁護士に相談してみましょう。

まとめ

税金は非免責債権なので、自己破産をしても支払い義務は無くなりません

税金支払いを滞納してもブラックリスト状態になることはありませんが、財産差押えの恐れがあります。

税金を支払えない場合には、放置せず、分割で支払える額を計算し、税務署などの窓口に分納もしくは猶予の交渉をしましょう。

税金を支払わなくてよい方法は限られており、決して簡単ではありません。

借金と税金の支払いがどちらも苦しい場合には債務整理を検討してみましょう。

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