自己破産の手続き中に転職・就職はできるのか?【債務整理】

最終更新日:2021/11/17

監修

弁護士法人サンク総合法律事務所
弁護士 淺海 菜保子

弁護士法人サンク総合法律事務所 淺海 菜保子

借金の返済において自己破産を検討するにあたり、仕事への影響を不安に感じたことはないでしょうか。「自己破産後に就職や転職が困難とならないか」「勤務先にバレないか?」といった懸念から、自己破産の手続きを迷っている方もいることでしょう。

そこで本記事では、自己破産の概要や転職・就職する際に考えられる影響、自己破産を理由に職場を解雇される可能性などについてわかりやすく解説しています。

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この記事の要約
  • 自己破産をすると、税金など一部を除いた借金をゼロにできるが、一定額以上の財産を失う、ブラックリストとして事故情報が登録される、官報に掲載されるなどのデメリットもある
  • 事故情報が登録された信用情報は加盟している金融機関と本人以外は見ることができず、官報も細かくチェックしている企業は少ないため、自己破産をしても転職や就職にはさほど影響が出ないのが一般的
  • 一部の資格を使用する仕事に従事している場合などは、転職や就職に不利に働くケースがある



自己破産とは

自己破産は、借金の返済が困難なときなどに、裁判所に申立てをすることで、借金が免除されることを目指す手続きです。税金などの一部の債権は免除することができませんが、自己破産が認められれば、月々の借金返済からは解放されることとなります。

ただし、本人が所有している財産のうち、生活に最低限必要な限度を超える財産については、基本的にすべて失われる点は注意が必要です。 

自己破産について詳しい記事はこちら:「自己破産とは?メリットとリスク・費用について徹底解説【債務整理】

財産が失われる以外にも、自己破産すると以下のようなデメリットが生じることとなります。

自己破産するとブラックリスト状態になる

自己破産して借金が免除されるということは、自分自身が借りたお金を返すことが困難な状態となってしまったことを認めるということでもあります。

さまざまな事情があるとはいえ、借金をする際に貸主(債権者)側と結んだ約定を守れなかったことは事実です。こうした過去は、一定の期間信用情報に事故情報として残り、各種金融機関などで共有されることとなります。

事故情報はいわゆる「ブラックリスト」として、その後数年間は審査の際に把握され、融資の申請が通りづらくなるでしょう。

現時点で借金が膨らみ、生活に支障が出ていたり、返済が滞っていたりするような状態であれば、自己破産の申し立てを行っていなくても、既に審査が通りづらくなっているケースは充分考えられます。

ブラックリスト状態だけを不安に思って自己破産を迷っているなら、一度自己破産の手続きに強い弁護士事務所などへ相談してみると良いでしょう。

自己破産すると官報に掲載される

上記で挙げた事故情報は、加盟している金融機関か、本人以外は見ることのできないものです。しかし、自己破産をするとインターネット上で誰でも閲覧できる官報に掲載されます。

裁判所では公告事項がさだめられており、公告とは文字通り「公衆に告知する」ことをさします。公告の手段の1つとして、インターネット上に公告事項が掲載されるのです。

自己破産は裁判所の公告事項に含まれているため、自己破産した事実は官報に掲載されます。自己破産した人の住所や氏名、自己破産が決定した旨などが掲載されますが、メールアドレスや電話番号まで掲載されることはありません

自己破産すると一部資格制限がある(欠格事由)

保険外交員や宅地建物取引業など、一部の資格を使った仕事については、自己破産の手続き期間中はその仕事を行うことができなくなってしまいます。手続き中の目安となる期間としては3ヵ月〜半年程度となり、免責決定が確定した後は再開が可能です。

 制限される主な資格一覧はこちら

なお、自己破産すると会社と委任契約を結んで仕事をしている場合には、一旦、委任契約が終了になります(民法第653条)。取締役や監査役などがそれにあたります。

もっとも、退任後に、再度、株主総会で選任されるなどすれば、復職することができるでしょう。

自己破産しても、転職や就職には基本的に影響ない

上記のように、自己破産すると一部の資格が必要な仕事に制限を受けたり、官報の公告事項に掲載されたりするものの、以下のような理由から、転職や就職への影響は基本的にはないと考えられます。

転職先や就職先に自己破産したことを申告する必要はない

転職活動中の面接や、就職が決まった勤務先などで、自己破産の過去があることを申告しなくても構いません。

自己破産を申告しなければならないと定めている法律はなく、自己破産について聞かれることがなければ、黙っていても罪に問われたり、解雇される理由になったりすることはないからです。

金融関連や個人の秘密を取り扱うような職種の場合は、自己破産について確認される可能性が他の職種よりも高まりますが、選考時に提出する履歴書にも自己破産の事実を記入する必要はありません。

ほとんどの会社では、採用した人が自己破産をしたかどうか調べることはない

自己破産した場合に事故情報として残る信用情報は、加盟している融資申し込みをした金融機関と本人しか確認することはできません。そのため、基本的に就職・転職先企業が信用情報を調べることはできないようになっています。

また、裁判所の公告事項を掲載している官報についても、毎日膨大な量の情報が更新されています。さらにインターネット上で閲覧できる官報では氏名検索などができないため、「個人的な知り合いの方が、偶然に官報を見て、そこから破産したことが周囲に知られる」、というケースは考えづらいでしょう

このように、転職や就職で自己破産の影響が出ることは基本的にはありませんが、一部、影響が出るケースもあります。自己破産が不利に影響するケースについては、以下でさらに詳しく見ていきましょう。

自己破産が転職や就職に不利に影響するケース

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自己破産によって転職や就職に不利な影響が及ぶケースには、以下のようなものが挙げられます。

仕事内容が欠格事由に該当する

現在自己破産手続き中か、もしくはこれから手続きをするという方で、転職先や就職先で使用する資格が欠格事由に該当する場合は、数ヶ月その仕事ができないため、自己破産について確認されることがあります

資格を使用した仕事ができなくなる期間は3ヵ月から半年程度と見込まれるため、その間は資格が必要ない部署で働き、手続きが完了したら本来の部署へ戻れるケースもあるでしょう。

そのため、欠格事由に該当する資格を保有している人は、手続きが完了し復権してから資格を利用する仕事を開始することになります。

自己破産を弁護士へ依頼すれば欠格事由に該当する職業かどうかも確認してくれるため、不安な場合はまず弁護士に相談してみましょう。

官報を細かくチェックしたり興信所などに依頼して身辺調査する会社も稀にある

求人応募者の身辺調査として興信所を利用したり、官報の公告事項を細かくチェックしたりする企業も、まったくないとはいえません。

しかし、ゼロではないというだけで、これも一般的な企業であればほぼないケースと考えてよいでしょう。

特に書類選考や採用面接の時点で不採用になった場合は、自己破産以外の理由で不採用となっている可能性の方が多いといえます。もし転職や就職先で上記のような懸念がある場合には、弁護士に相談してみることをおすすめします。

転職・就職後に自己破産を理由に解雇されることは原則ない

転職・就職してから自己破産したり、過去に自己破産していたことが分かり、それが理由でクビになったとしたら、それは不当解雇といえます

しかし、たとえば金銭を扱う業務をしている方が自己破産をして、他の部署に異動することが難しいような場合には、解雇の選択となる可能性もあるでしょう。

雇用している側は、従業員の自己破産によって業務に支障が出る場合はまず配置転換などの策を講じ、異動などが難しい場合にはじめて解雇を検討できることとなります。

自己破産したから即解雇、といった流れになるのは不当解雇であり、たとえ社内規定や雇用時の契約にそのような記載があったとしても、その記載自体が無効であると判断できる可能性が高いです。

トラブルを回避して円満に仕事を継続するためには、弁護士へ相談するなどして、会社側とよく話し合うことが大切です。

まとめ

自己破産とは、裁判所へ申立てを行うことで税金など一部を除いた借金をゼロにできる手続きです。借金が免除される代わりに、一定額以上の財産を失う、ブラックリストとして事故情報が登録される、官報に掲載されるなどのデメリットもあります。

事故情報が登録された信用情報は加盟している金融機関と本人以外は見ることができず、官報も細かくチェックしている企業は少ないため、自己破産をしても転職や就職にはさほど影響が出ないのが一般的です。

一部の資格を使用する仕事に従事している場合などは、転職や就職に不利に働くケースがあります。

とはいえ、多くの企業では従業員が自己破産しているかについて詳しくチェックすることはほとんどないと考えられます。金融機関など仕事に影響が出る場合でない限り、仮に自己破産していたとしてもそれを理由に解雇するのは不当解雇にあたります。

自己破産で想定されるリスクや仕事への影響を最小限にできれば、借金をゼロにできるメリットは大きいものです。少しでも不安な点があれば1人で抱えることなく、弁護士事務所の無料相談などを利用してみましょう。

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