【自己破産の原因がギャンブルでも免責は認められる?】手続きの流れや注意点を解説!

最終更新日:2021/11/17

監修

弁護士法人サンク総合法律事務所
弁護士 町田 麻美

弁護士法人サンク総合法律事務所 町田 麻美

ギャンブル

自己破産の原因がギャンブルの場合、自己破産(免責)が認められないと考えている人も多いでしょう。

今回は、ギャンブルが原因でも自己破産できるのか、ギャンブルが原因の場合に知っておきたいことなどについて解説します。

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この記事の要約
  • ギャンブルが主な原因の自己破産は、法律上、免責不許可事由に該当するため原則として免責されない
  • しかし、裁判所が一切の事情を考慮して可否を決定する裁量免責によって、ギャンブルが原因であっても免責が認められることがある
  • ギャンブルが主な原因の自己破産は、同時廃止では裁判所が裁量免責を認めるか否かについての破産者の事情を調査することが困難なため、多くの場合で管財事件として取扱われる



ギャンブルが原因でも自己破産できるのか?

ギャンブルが借金の主な原因である場合、原則として自己破産の免責がおりません。つまり借金がゼロにならないということです。

ギャンブルが借金の主な原因であることが免責不許可事由に該当するためです。

免責不許可事由とは

免責不許可事由とは、破産法で定められた免責許可の決定にかかる除外要件です。具体的には以下のような事由が該当します(破産法第252条第1項各号)。

  • 財産を隠した場合(第1号)
  • クレジットカードのショッピング枠を現金化した場合(第2号)
  • 一部の債権者にだけ借金を返済した場合(第3号)
  • ギャンブルや浪費などで借金を作った場合(第4号)
  • これから自己破産することを認識しつつ借金した場合(第5号)
  • 裁判所に虚偽の申告をした場合(第6号・第7号・第8号など)
  • 7年以内に自己破産などをしている場合(第10号)

以上のように、免責不許可事由にはギャンブルも該当してしまいます。

なお、ギャンブルとは以下が該当し、ギャンブルによって「著しく財産を減少させたか、過大な債務を負担したこと」に該当すると免責不許可事由です。

  • 競馬
  • 競輪
  • 競艇
  • パチンコ
  • 株取引
  • FX取引
  • 先物取引
  • 暗号資産取引



たとえば、FX取引によって数万円損した程度では「著しく財産を減少させた」には当たらないとするのが一般的であり、免責不許可事由には該当しないといえるでしょう。

ギャンブルが原因の借金でも、免責がおりる可能性がある

ギャンブル

実はギャンブルが主な理由の借金でも、免責が許可される可能性があります。

自己破産にかかる免責許可の決定をするのは裁判所ですから、破産者が免責されるかどうか、最終的には裁判所の判断ということになります。

免責不許可事由がある場合でも、一切の事情を考慮して、裁判所が裁量で免責の許可を決定することができます。これが破産法における裁量免責です。

<引用>
前項の規定にかかわらず、同項各号に掲げる事由のいずれかに該当する場合であっても、裁判所は、破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは、免責許可の決定をすることができる。

引用元:e-Gov法令検索「破産法第252条第2項」

ギャンブルがきっかけの自己破産は管財事件になることがほとんど

「ギャンブルは免責不許可事由に該当することがあるが、裁量免責によって自己破産ができる可能性もある」と紹介しました。

自己破産は、管財事件同時廃止という2つの手続があります。

管財事件は破産手続きの基本形態です。裁判所によって破産管財人が選任され,その破産管財人が破産者の財産の調査・管理・換価処分などを行います。

主に、債権者に配当すべき財産がない場合などは同時廃止となります。

同時廃止なら自己破産にかかる費用や時間も抑えられますが、ギャンブルが原因の場合、同時廃止とならない可能性が高いです。

そこで、ギャンブルが原因だとなぜ管財事件になるのか、手続にかかる費用はどのように違うのかを解説します。

ギャンブルが主な原因の自己破産申立てが同時廃止になりにくい理由

面談

ギャンブルは法律で定められた免責不許可事由であるため、裁判所としては簡単に免責を許可することができません。借金の理由や自己破産を考えるに至る経緯・事情などを調査する必要があるのです。

そのため、破産管財人が、破産者の破産に至る経緯・管財業務に対する姿勢や協力の程度・現在の生活状況などを調査することができる、管財事件とされることが多いのです。

裁判所は免責許可の決定をするにあたり、破産管財人や破産債権者の意見を聞くための期間を設ける義務があります(破産法第251条第1項)。そのとき、破産者の家計管理の状況や管財業務に対する誠実さなどからみて、経済的に立ち直る見込みがあると破産管財人に認めてもらえば、裁判所に免責が相当である旨の意見書を提出してもらえることがあります。

その結果、免責許可の決定がされる可能性が高まるということになります。

同時廃止では破産管財人が選任されませんから、ギャンブルが主な原因の自己破産申立ての場合、同時廃止となる可能性は低いと言えます。

ギャンブルが原因の自己破産…費用は?

ギャンブルが原因の自己破産は管財事件になることが多いと説明しましたが、その場合、自己破産にかかる費用はいくらになるのでしょうか。

自己破産にかかる全体の費用相場は大体40〜70万円、管財人が選任される(管財事件の)場合は+20万円程度かそれ以上必要になります。

自己破産 費用

自己破産の申立てを受任した旨の通知を債権者に発送すると、借金の返済をする必要がなくなります。その間、弁護士費用を分割払いできる弁護士事務所も多いので、この点も弁護士に相談してみましょう。

自己破産の費用について詳しい記事はこちら:債務整理救助隊「自己破産とは?メリットとリスク・費用について徹底解説【債務整理】」

ギャンブルが主な原因の自己破産…隠していてもばれる?

弁護士をイメージしている女性

ギャンブルが原因となって自己破産をしようとするとき、同時廃止よりも時間と費用がかかる管財事件になることが多いと解説しました。

それでは、自己破産の手続きをするとき、同時廃止にしようという考えからギャンブルについて裁判所に隠しているとどうなるのでしょうか。

結論からいえば、自己破産で事実を隠すことは禁止されており、相応のペナルティが生じます。ギャンブルをした事実を隠すことはできません

破産法では、破産者に対して以下の義務を規定しています。裁判所や破産管財人から聞かれたことにはきちんと答える義務があるのです。

なお、以下の義務を違反した場合も免責不許可事由となります(破産法第252条第1項第11号)。

  • 手続開始の申立てを行うとき、原因事実を疎明する義務(破産法第18条第2項)
  • 破産管財人等の請求があったとき、必要な説明をする義務(破産法第40条第1項)
  • 破産手続開始の決定後、すぐに重要財産の開示をする義務(破産法第41条)
  • 免責許可の申立て時、債権者名簿を提出する義務(破産法第248条第3項)
  • 免責調査において、裁判所や破産管財人が行う調査に協力する義務(破産法第250条第2項)


仮にギャンブルをしていたことを隠すなどしてそれが発覚すると、手続きが長期化したり、弁護士が辞任したりしてしまうおそれがあります。また、免責が下りない可能性もあります。

自己破産をするときは、自己破産に至った原因などを、相談段階から弁護士に正直に話しておきましょう。

自己破産が難しい場合はどうすればよい?

頼れる弁護士

ギャンブルが原因だと、法律上、免責不許可事由にあたることになります。裁量免責も必ず認めてもらえるわけではありません。

そこで、自己破産以外の債務整理を紹介します。

  • 任意整理:裁判外の整理で、債権者との交渉によって分割による返済計画を立てる(将来利息カットが期待できる)
  • 特定調停:簡易裁判所の調停手続で、債権者との交渉をする(調停調書は債務名義となる)
  • 個人再生:裁判上の手続で、継続的に収入を得る見込みのある人が利用でき、借金を減額したうえで原則3年間の分割返済をする


継続的に収入を得る見込みのある人であれば、個人再生が最も返済の負担を抑えられる見込みのある手続きと言えます。

債務整理の方法のうち、状況に応じて最も望ましい方法がどれかについては、それぞれの債務整理をよく知っておく必要があります。不安であれば、弁護士に相談することをおすすめします。

まとめ

借入れの主な原因がギャンブルであったしても、自己破産ができないと考えて諦める必要はありません。

確かにギャンブルが原因の自己破産は、法律上、免責不許可事由に該当するため原則として免責されません。

しかし、裁判所が一切の事情を考慮して可否を決定する裁量免責によって、ギャンブルが原因であっても免責が認められることがあるのです。

ただし、同時廃止では裁判所が裁量免責を認めるか否かについての破産者の事情を調査することが困難なため、多くの場合で管財事件として取扱われます。

そして、家計管理の状況や管財業務に対する誠実さなどをもとに、経済的に立ち直る見込みがあると破産管財人に認めてもらい、裁判所に免責が相当である旨の意見書を提出してもらえれば、免責許可の決定が出される可能性が高くなります。

管財事件は同時廃止と比べて費用も時間もかかります。免責許可をもらえるかどうか、費用はどうなるかなど、早めに弁護士と相談しておくことをおすすめします。

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