自己破産すると連帯保証人にはどのような影響が?迷惑をかけない方法とは

最終更新日:2021/09/30

監修

弁護士法人サンク総合法律事務所
弁護士 市川 正敏

弁護士法人サンク総合法律事務所 市川 正敏

家計 やりくり

連帯保証人や保証人のついている借金がある場合、自己破産をすると「迷惑をかけてしまうのでは?」と心配になるものです。

今回は自己破産したときの連帯保証人への影響と、できるだけ迷惑をかけないための対処法を解説します。

親や配偶者、友人などに連帯保証人になってもらっている状況で、自己破産を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

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この記事の要約
  • 主債務者が自己破産すると、債権者は連帯保証人へと請求を行う
  • 連帯保証人や保証人が債権者と交渉すれば分割払いさせてもらえる可能性がある
  • 借金問題を抱えているけれども連帯保証人に迷惑をかけたくない場合は、任意整理を検討してみる
  • 自己破産した人が連帯保証人になれるかどうかは、借入先が信用情報をチェックするかによって異なる



保証人と連帯保証人の違い

まずは保証人と連帯保証人の違いを簡単に理解しましょう。

連帯保証人も保証人の一種です。ただし責任を強化されているという違いがあります。

連帯保証人には抗弁権がない

連帯保証人は保証人と違い、以下のような抗弁権(権利)がありません。

・催告の抗弁権
債権者(借金の貸主)から請求されたときに「先に主債務者に請求してください」と反論する権利です。

・検索の抗弁権
債権者が請求してきたとき「先に主債務者の財産から取り立ててください」と反論する権利です。

連帯保証人には分別の利益がない

連帯保証人には保証人と違い「分別の利益」が認められません。分別の利益とは、複数の保証人がいる場合に負担部分が一部に限定される利益です。たとえば借金総額が300万円で保証人が2人なら、それぞれの保証人は150万円ずつの負担しか負いません。

連帯保証人の場合、すべての連帯保証人が300万円全額について支払い義務を負います。

求償権は行使できる

連帯保証人であっても求償権は行使できます。求償権とは、支払った保証債務を主債務者へ返還請求する権利のことで、要は立て替えた分の金額を返してもらうよう主債務者へ請求できるということです。

たとえば連帯保証人が300万円の負債を支払ったら、連帯保証人は主債務者へ300万円の求償ができます。求償権については保証人と同様と考えてよいでしょう。

以上のように、連帯保証人は保証人の一種ですが、保証人より責任を強化されています。主債務者と同等の責任を負うものと理解しておきましょう。

自己破産したら連帯保証人にどのような影響が及ぶ?

パートナーへの影響

主債務者が自己破産すると、連帯保証人にどのような影響が及ぶのでしょうか?

主債務者が自己破産すると、債権者は連帯保証人へと請求を行います。何ヶ月も滞納してる場合は一括請求となり、さらに遅延損害金も加算されてしまいます。

また残債の一括請求は「内容証明郵便」で送られてくるケースが少なくありません。いきなり見慣れない内容証明郵便で高額請求されたら、受け取った連帯保証人は驚いてしまうでしょう。

この段階で主債務者との間でトラブルが発生するケースもよくあります。

例1:住宅ローンの連帯保証人になっていた場合
住宅ローンの主債務者が自己破産すると、債権者(銀行や信用保証協会など)が内容証明郵便で連帯保証人に一括請求書を送ってくるケースが多数です。
主債務者が支払っていない事実が記載され、残ローンの全額や遅延損害金を一括払いするように求められてしまいます。

例2:奨学金の連帯保証人になっていた場合
奨学金を利用した方が卒業後にきちんと返済しない場合、日本学生支援機構は連帯保証人や保証人となっている方へ請求を行います。

本人が自己破産すると日本学生支援機構などの奨学金機構は、連帯保証人や保証人へ一括請求すると考えてください。

分割返済できるケースも多い

実は住宅ローンでも奨学金でも、一括請求された連帯保証人や保証人が債権者と交渉すれば「分割払い」させてもらえる可能性があります。

たとえば高齢の親御さんなど支払い能力の低い連帯保証人の場合、しばらくは利息のみの返済にしてもらえるケースは珍しくありません。

また日本学生支援機構は他の債権者と比べて分割交渉に応じてくれやすいとも言われています。保証人の方が対応することにはなりますが、請求を受けたら、まずは現実的な範囲での分割払いを相談してみましょう。

自己破産すると求償権は免除される

先述した求償権(支払った保証債務を主債務者へ返還請求する権利)ですが、自己破産で免責を受けるとこの権利はなくなります。

主債務者が自己破産すると求償権も免責されるため、連帯保証人が立て替えて支払いをしても、破産者への返還請求はできなくなるのです。

借金問題を解決したい…でも連帯保証人に迷惑をかけたくない場合の対処法

借金問題を抱えているけれども連帯保証人に迷惑をかけたくない場合、どうすればよいのでしょうか?

この場合、任意整理をお勧めします。

任意整理は、債権者と直接交渉をして借金を減額してもらう手続きです。

任意整理であれば、対象とする債権者を選ぶことができます。連帯保証人や保証人のついていない借金のみを対象に整理すれば、連帯保証人や保証人に迷惑をかける心配は基本的にありません。

保証人 除いて 任意整理

(連帯)保証人がついている借金は、これまでとおり自分で滞納せずに払っていきましょう。

また、やむを得ず(連帯)保証人のついている債務を任意整理する場合でも、(連帯)保証人も一緒に任意整理を行うことで、主債務者が分割弁済を続ける方法もあります。

(連帯)保証人が任意整理をよく理解し、手続きに同意することが不可欠ですが、(連帯)保証人に金銭的な負担をさせずに自分で支払っていくことができるかもしれません。

連帯保証人が自己破産した場合の影響

もしも連帯保証人が自己破産したらどうなるのでしょうか?

この場合、主債務者自身がきちんと返済を継続していれば主債務者へ一括請求される可能性は低いでしょう。ただし主債務者に対し、代わりの連帯保証人を要求される可能性があるので注意が必要です。

特に賃貸借契約では賃借人と大家との関係が重要です。大家から代わりの保証人を求められたら、主債務者としては対応せざるを得ない状況も考えられます。

自己破産した後に連帯保証人になれる?

次に自己破産した後に連帯保証人になれるのか、みておきましょう。

自己破産後に連帯保証人になれるかどうかは、借入先によって異なる

自己破産した人が連帯保証人になれるかどうかは、借入先によって異なります。

借入先が信用情報を参照する場合には、連帯保証人になることは難しいです。信用情報には過去の自己破産や任意整理などの債務整理情報が登録されるからです。

自己破産情報は5~10年程度登録され続けるので、その間は保証人や連帯保証人の審査に通らないと考えましょう。

信用情報を参照する借入先の例

・銀行ローン
銀行における事業用の借り入れ、住宅ローンやおまとめローンなど

・住宅金融公庫などの住宅ローン
銀行以外の、住宅金融公庫や貸金業者など、各種の住宅ローン

・消費者金融や信販会社のローン
消費者金融や信販会社のおまとめローンなど

・奨学金
日本学生支援機構などの奨学金(地方自治体や大学の奨学金でも、保証人が必要で信用情報をチェックされるケースがあります。各奨学金の要項をご確認ください)
※ただし日本学生支援機構の奨学金には機関保証制度があります。こちらを利用すると個人の連帯保証人や保証人をつける必要がないので、困ったときには利用を検討してみましょう。

自己破産しても連帯保証人になれる例

・不動産の賃貸借契約
不動産の賃貸借契約では基本的に信用情報を参照されないので、過去に自己破産していても連帯保証人になれるケースが多いです。この場合、大家や不動産会社には信用情報を照会する権限がありません。

ただし信販系の保証会社が入っている場合には、保証会社が信用情報を照会するので審査に落とされる可能性が高くなります。

賃貸借契約でどうしても保証会社が必要なら、信販系でない保証会社を利用してもらいましょう。そうすれば過去に自己破産していても連帯保証人になれます。

賃貸契約の、信販系の保証会社について詳しい記事はこちら:「任意整理などの債務整理をしても賃貸契約・引越しできる?

まとめ

主債務者が自己破産すると、債権者は連帯保証人へと請求を行います。

しかし、一括請求された連帯保証人や保証人が債権者と交渉すれば分割払いさせてもらえる可能性があります。

借金問題を抱えているけれども連帯保証人に迷惑をかけたくない場合は、任意整理を検討してみましょう。

自己破産した人が連帯保証人になれるかどうかは、借入先が信用情報をチェックするかによって異なります。

自己破産するとき、連帯保証人がいる場合はなるべく迷惑をかけないよう、細心の注意が必要です。自己判断で対応するとトラブルの危険も高くなるでしょう。迷ったときには一度、弁護士に相談してみてください。

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