自己破産すると住宅はどうなる?破産後に住宅ローン審査に通ることは可能?

最終更新日:2020/07/20

監修

弁護士法人サンク総合法律事務所
弁護士 今枝 利光

弁護士法人サンク総合法律事務所 今枝 利光

住宅 夫婦

住宅ローン返済中に自己破産をしたら、家はどうなるのでしょうか?
今回は、自己破産による住宅への影響や、自己破産後の住宅ローン利用について解説します。

持ち家があるけれど住宅ローンやカードローンなどの負債の返済が苦しく、自己破産を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

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<この記事の要約>

  • 自己破産すると、住宅ローン返済中の場合もそうでない場合も、住んでいる住宅の所有権を基本的には手放す必要がある
  • 自己破産後短くとも10年ほどは住宅ローンの契約ができない可能性が高い
  • 現在住んでいる住宅の所有権をどうしても失いたくない場合は、任意整理や個人再生など他の債務整理を検討する

自己破産すると住宅はどうなる?

住宅ローンを組んで念願のマイホームを購入したなら、できれば自宅を残したいと考える方も多いでしょう。

ところが自己破産をすると、ほとんどのケースで自宅が失われます。

それは以下のような理由からです。

自己破産をすると住宅ローンも免責の対象になる

自己破産は、裁判所から免責してもらうことにより、税金等の一部を除くすべての負債の支払い義務を免除してもらう手続きです。

自己破産をする人は債権者(借金の貸主)を選べません

例えば「お世話になった◯◯さんから借りたお金だけは返済したいから、それ以外の借金だけ申告して自己破産する」などのようなやり方はできません。全ての債権者を対象にする必要があるのです。

ですから、当然住宅ローンも対象になり、支払い義務が免除されます。

住宅ローンを組むと物件には「抵当権」が設定されますが、支払い義務が免除されローンが返済されなくなった場合、銀行等は抵当権を設定しておいた住宅等を競売にかけるなどして売り、その代金を自分の住宅ローン債権に充てることができるようになっているのです。

自己破産をすると一定以上の価値があるものを所有できなくなる

たとえ住宅ローンを完済している人でも、自己破産後多くの場合は住宅を手放さなければなりません。

自己破産では、破産する人の財産のうち一定額を超えるものは現金化され、債権者へ配当されます。

自己破産した人の手元に残るのは、生活に必要な最低限の財産のみ。持ち家などの不動産は価値が高いので、多くの場合残すことはできません

裁判所によって選任された破産管財人が家を売却し、債務者は退去を要求されます。

このように住宅ローン返済中に自己破産をすると家は失われるので、基本的には諦めざるを得ません。

破産しても住宅を残す方法はある?

自己破産をすると、必ず家が失われるのでしょうか?

実現する可能性は高くはありませんが、自己破産をしても家に住み続ける方法が存在します。

それは、破産手続き内で住宅を親族に買い取ってもらう方法です。

破産の手続きが始まると、破産管財人は家の買い手を探します。正当な価格によって買い受けてくれる人が見つかったら、その人と売買契約を締結して売却します。買い手が見つからない場合には競売手続きを行います。

そこで資金力のある親族がいるなら破産管財人とやり取りをしてもらい、不動産を購入してもらえば良いのです。その後、不動産の新たな所有者となった親族から賃貸してもらえば、家に住み続けられます

ただし破産者による買い戻し目的の親族間売買では、金融機関は住宅ローンの審査に通さないのが通常です。一括で購入資金を支払えるような親族がいないと買い戻しは難しいでしょう。

実際にそのような資金を持った親族がいる人は限られているでしょうから、この方法で家を残せる方は多くはありません。

親族間売買

住宅ローンが払えず頼れる親族もいない場合は任意売却を検討する

親族間売買が望めない場合、自己破産手続きを行い競売を待つしかないのでしょうか。

住宅に住み続けられる可能性は低いですが、競売を避ける方法として任意売却があります。

任意売却とは、住宅ローン返済が厳しくなったときに返済をストップし、金融機関と相談をして住宅を市場で売却する手続きです(ほとんどの場合専門の不動産会社に依頼をして行います)。

住宅ローンの返済はストップ、つまり滞納状態になるので、任意売却の活動期間中に売却ができなければ競売に移行します。

任意売却では活動期間が限られているため、一般的な中古物件の売却とは違い、「この金額で売りたい」という希望の売値は優先されず、現実的に買い手がつく金額での売り出しになります。

任意売却では住宅を他者に売り出すので、基本的に住み続けることはできません

不動産会社や投資家などに買い取ってもらえた場合は、賃貸契約を交わすことでまたその住宅に住み始めることができるかもしれませんが、こちらは非常に条件の厳しい稀なケースです

任意売却によって得られた代金は残ローンの支払いに充てられ、それでも残ったローンについては支払わなければなりません。

任意売却と競売は、「他者に売り出す」という点では同じですが、任意売却の方がメリットが多い場合がほとんどです。

破産後に住宅ローンを組める?

自己破産によって家が失われてしまった場合、後にあらためて住宅ローンを組んで家を購入できるのでしょうか?

自己破産をはじめとした債務整理手続きをすると、しばらくの間住宅ローンは利用できなくなります。債務整理手続きをすると信用情報機関に事故情報が登録されるからです。

金融機関は住宅ローンの申し込みを受け付けると、申し込み人の信用情報を参照して「貸付を行って良いかどうか」審査を行います。信用情報に自己破産後の「官報公告情報」などの事故情報が登録されていると「この人は最近自己破産している」と判明するので、住宅ローン審査に落とされてしまいます。

このように個人信用情報機関に事故情報が登録されている状態を世間的にはブラックリスト状態ともいいます。

自己破産をすると、ブラックリスト状態になるので10年程度は金融機関における住宅ローン審査に通らない可能性が高いです。その期間が終わったら、また住宅ローンを利用できる可能性が出てきます(ただし事故情報が抹消されたら必ずローンの審査に通るというわけではありません)。
ブラックリストについて詳しい記事はこちら:「ブラックリストとは?【借金滞納や債務整理と信用情報】」

どうしても住宅の所有権を失いたくない場合は、自己破産以外の対処法を検討する

住宅ローン返済中に自己破産をすると、家を守るのは困難です。どうしても住宅の所有権を失いたくないなら、以下のような自己破産以外の解決方法を検討しましょう。

銀行に返済計画の変更を相談

まずは住宅ローンの借入れ先金融機関へ、返済計画の見直しを相談してみましょう。

返済が苦しい状況を伝えると、一定期間は「利息のみ」の支払いにしてもらえる「リスケジュール」が認められる可能性があります。銀行との協議がうまくいけば、1年程度は「利息のみ」の支払いに抑えてもらえて月々の支払いが楽になります。

リスケジュール期間中は、基本的に元本を支払わなくても代位弁済や競売が起こらないので、家が失われる心配もありません。

ただしリスケジュールの期間が終了すると元本の支払いも復活するので、リスケジュールで返済額が減額されているうちに、家計の状況を立て直す必要があります。

任意整理、個人再生を検討する

住宅ローン以外にカードローンなどで多額の借金をしているケースなどでは、リスケジュールでは解決できないケースが多数です。

その場合、他の借金を減額するために任意整理個人再生という自己破産以外の債務整理手続きを利用しましょう。

任意整理
任意整理をすると、カードローンや消費者金融などの「利息」をカットして元本のみの支払いに抑えられます。返済期間も5年程度まで延ばせて月々の返済額も減額可能です。

このように負債を返済可能な条件に設定し直してきちんと支払いを続ければ、家が失われる心配はありません。

個人再生
個人再生は、裁判所に申立てをして元本ごと借金返済額を大幅に減額してもらう債務整理の方法です。

個人再生には「住宅ローン特則」があり、住宅ローン返済中の方は住宅ローン以外の負債のみを減額して家を守れます。住宅ローンについては基本的にそのまま支払いが必要ですが、カードローンや消費者金融などの負債を大きく減額できて支払いが楽になります。

住宅ローン特則つきの個人再生に成功したら、家を失わずに済みます。

何の手続きが見込めるか・最善かを自分1人で判断することは困難です。弁護士に相談し、ベストな解決方法を探りましょう。

まとめ

自己破産後、住宅に住み続けられる方法は限られています。任意整理や個人再生手続きができれば、住宅の所有権を手放さずに済みます。

住宅ローンが払えずどうしようもない場合や、自己破産を検討する場合は、住宅は任意売却をするのが最善かもしれません。専門の不動産会社に相談してみましょう。

住宅ローンやカードローンなどの支払いにお困りなら、一度弁護士に相談してみると、最善の方法が見つかるはずです。

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