自己破産すると家族や同居人にどんな影響が及ぶの?【債務整理】

最終更新日:2020/08/07

監修

弁護士法人サンク総合法律事務所
弁護士 堀川 民人

弁護士法人サンク総合法律事務所 堀川 民人

住宅 夫婦

自己破産をすると、家族に対する影響が心配です。

  • 家族に請求が来るかもしれない
  • 家族もブラックリスト状態になってクレジットカードを作れなくなるかもしれない
  • 子どもの結婚や就職に影響が及ぶかもしれない

多くのケースでは上記のような心配は不要ですが、ときには家族に請求が来る可能性もあるので正確な知識と対処方法を知っておきましょう。

今回は自己破産すると家族や同居人へどういった影響が及ぶのか、解説します。

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<この記事の要約>

  • 自己破産することにより、家族で共有している財産がなくなる、家族が保証人になっている場合一括請求される、家族のためのローンが組めなくなる といった影響がある
  • 家族への悪影響を避けるためには、他の債務整理を検討する、親族に財産を買い取ってもらう、家族名義でローンを組む などの方法がある
  • 家族に内緒で自己破産を行うことは、状況によっては難しい。弁護士とよく相談する必要がある

自己破産による家族への影響

まずは自己破産によって家族にどういった影響があるのかを解説します。

本人の財産がなくなることで迷惑がかかる

自己破産をすると、裁判所は、破産する本人の一定の財産を換価して、債権者(貸主である金融機関)になるべく配当しようとします。そのため破産する本人の財産が換価され、債権者(貸主である金融機関)に配当されます。状況によっては、家はもちろんのこと預貯金や保険、車なども手放すことになります。

家がなくなったら家族も一緒に引っ越ししなければなりませんし、車がなくなったら家族に不便をかけることもあるでしょう。

家族と不動産を共有名義にしている場合は、自己破産手続きの途中で管財人(自己破産の際に財産の管理や配当を行う役割を担う弁護士)から家族へ不動産売却の打診が来ることが多いです。

そもそも住宅ローンが残っている家の場合、破産をすると、住宅ローン債権者がその家を売ることになることも多いです。

このように、財産がなくなることで家族に迷惑がかかることがあります。家族共有の財産の名義をしっかりと確認しておきましょう。

本人名義の財産が全くない場合や、車や家などめぼしい財産は家族の名義である場合などには、自己破産をしても家族への影響が少ないです。ただし、家族名義の財産でも破産者本人の財産と認定されるなど、例外もありえます。

家族が保証人になっていると一括請求される

自己破産をしても、家族には基本的に負債の支払い義務が及びません。同居の配偶者や親、子どもであっても自分以外の人がした借金返済はしなくて良いのです。

ただし家族が「保証人」になっている場合は違います。保証人になると「保証債務」を負ってしまうため、主債務者(借りた本人)が返せない場合には保証人が代わりに返済しなければなりません

本人が破産すると、債権者は保証人へ残債の一括請求をしてきます。配偶者などが保証人になっているケースで破産すると、配偶者へ一括請求されるので配偶者も一緒に破産しなければならない事例もあります。

借金の保証人についても、事前に確認しておきましょう。

なお、家族が破産者本人と一緒の内容の債務を負担する連帯債務者である場合にも、保証と似た問題が生じることもありますので、注意しましょう。

家族のために必要なローンを組めない

自己破産すると、本人はいわゆるブラックリスト状態になり、ローンやクレジットカードを利用できなくなります。家族のために住宅ローンなどを組もうと思っても一定の期間は審査に通りません。
ブラックリストについて詳しい記事はこちら:「ブラックリストとは?【借金滞納や債務整理と信用情報】

家族にも一定の収入があれば家族名義でローンを組んだりクレジットカードを作ったりできますが、家族が専業主婦(夫)や未成年者などの場合には借入れができず、不便な場面があるかもしれません。

家族への悪影響を避ける方法

パートナーへの影響

破産によって家族になるべく迷惑をかけないためには、以下のような対処法があります。

家や車を残す方法

家が破産者名義になっている状態で自己破産をすると、ほとんど確実に家を手放すことになります。車や預貯金も一定以上の価値があれば失われます。これらの財産を残すために破産に代わり又は破産の前にできる方法としては、基本的に、以下の3つがあります。

①個人再生をする
個人再生とは、借金を大きく減額してもらって支払いを継続していく債務整理です。自己破産と同じように、裁判所を通じて行う手続きです。

個人再生を行えば、車・預貯金・保険などの財産を手放さずに借金を減額できるケースがあります。また、住宅ローンが残っている場合のための特則として、「住宅資金特別条項」を付ける方法があります。この方法を利用すれば、家を残して住宅ローン以外の借金のみを減額してもらうこともできます

個人再生について詳しい記事はこちら:「個人再生ー債務整理とは?

財産を失って家族に迷惑をかけたくない人には、個人再生が非常に有効な手段となるでしょう。

②任意整理をする
任意整理とは、債権者(消費者金融などの借入先)と直接交渉をして借金を減額してもらい、3~5年程度で分割払いしていく手続きです。

任意整理の場合は、整理する対象の債権者を選択することができます。たとえば、車を引き揚げられないよう、車のローンを組んでいる信販会社だけはそのまま返済していき、それ以外の消費者金融やローンなどを任意整理の対象にする、というやり方が可能です。

また、任意整理は裁判所を通じて行う手続きではないので、本人名義の財産を手放さなければならないという決まりもありません。

任意整理は、基本的には「和解後の利息」がカットもしくは大幅減額される方法で、元金(利息以外の借入れ金額)までは減りません。個人再生と比べると総額から減額できる金額が少ないのですが、家族に内緒で解決できる可能性が高いというメリットがあります。

自己破産と個人再生は、前述したとおり裁判所を通じて行う手続きです。裁判所からの通知が自宅に届くこともありえますし、裁判所から家族の財産状況に関する資料を提出するよう言われることもあります。本人が裁判所に行くこともあるので家族に内緒で行うことは難しいと言えます。

これに対して任意整理は裁判所を通じて行なわない、直接交渉する手続きです。弁護士などの専門家に依頼すれば、債権者とのやりとりも全て対応してもらえるため、家族に内緒で借金問題を解決できる可能性が高いです(100%内緒にできる確約はありません)。

③適正な価額で親族に買い取ってもらう
資金力のある親族がいれば、適正な金額で家や車を一括購入してもらい、使わせてもらう方法もあります。

家族が保証人になっている場合の対処方法

家族が保証人になっている場合にも任意整理が有効です。

自己破産はすべての債権者を対象にしなければならないので、保証人つきの借金を外して行うことはできませんが、任意整理なら対象にする債権者を選べます。家族が保証人になっていない債権者を選んで任意整理すれば、家族に請求が及ぶリスクを避けられます

教育資金が足りない場合の対処方法

親が破産して教育ローンを利用できないために子どもの学費が不足するなら、子どもの名義で奨学金を借りることを検討しましょう。親がブラックリスト状態でも、子どもの名義でなら問題なく借入れができます。

ブラックリスト状態だと奨学金の保証人にもなれませんが、日本学生支援機構(JASSO)には保証会社が代わりに保証をしてくれる機関保証という制度があります。
(参考:保証制度の選択ーJASSO

最近は人的保証(両親や親戚などが保証)よりも機関保証の方が多く利用されています。

(参考:独立行政法人日本学生支援機構奨学金事業における保証制度の在り方についての中間報告まとめ-文部科学省

ブラックリストのデメリットを心配するより破産した方が良い理由

自己破産したらブラックリスト状態になるので、家族への影響を心配される方がいます。

ただ自己破産を検討するほど返済が苦しいと、返済できずに滞納してしまうリスクも高くなるでしょう。借金を2~3ヶ月分程度滞納すると、ほとんどの場合ブラックリスト状態になるので、結局は自己破産をしなくてもローンやクレジットカードを利用できなくなります

他方で、返済のために他から借金をするという自転車操業にも限界が来て、結局破産をせざるをえないということも多いです。

また破産して返済が不要になったら、毎月少しずつ貯金ができる人も多いです。自己破産後に大きなお金が必要な際は、ローンを組まずに貯金で一括購入できる可能性もあるので、ブラックリスト状態をおそれて破産しないのは本末転倒とも言えます。

自己破産によるデメリットを心配するより、今後の生活の立て直しのために、まずは自己破産をはじめとした債務整理のメリットを検討してみましょう

何の手続きが最適かなどを1人で判断することは困難ですので、借金の解決方法については弁護士などの専門家に相談するのが最善です。解決方法が見えることで、気持ちがずっと軽くなりますよ。

自己破産しても家族に影響しないこと

自己破産をしても、以下のような点では家族への影響はありません。

就職

自己破産しても基本的に家族はどこでも就職できますし、あらゆる資格を取得できます。現在の職場で不利益を受ける危険もなく、将来の就職・転職活動にも支障はありません

「自分が破産したら子どもが就職で不利になるかも」などと心配する必要はありません。

結婚

家族が結婚する際にも不利益はありません。戸籍謄本を取得しても破産情報は確認できないので、子どもの婚約者に親の破産を知られる心配はありません。相手方が興信所を使い詳細な調査を行うなどして突き止められない限り、知られる可能性はないでしょう。

近隣や学校、会社での噂

「自己破産すると噂されて、家族が肩身の狭い思いをするのではないか?」と心配する人は多いです。

基本的にはこういった心配は不要です。自己破産がわかりやすい方法で公表されることはないからです。自ら話さない限り、近所や会社、学校関係者などに知られる可能性は非常に低いです。

政府が発行する「官報」という機関紙には破産情報が掲載されますが、官報を読んでいる人は極めて少数なので、今のところ、一般の人に破産した事実を知られる心配はしなくて良いでしょう

ただし、例えば勤務先から借金をしている場合や、勤務先が事業柄官報を調べるような会社である場合などには、勤務先などに知られるリスクもあります。心配であれば、弁護士などの専門家に相談をするのが良いでしょう。

関連記事:「自己破産するとどうなる?手続きやその後の生活でできること・できないこと

家族に内緒で自己破産できる?

家族にバレずに債務整理

家族に借金を秘密にしている場合、家族に知られないまま破産できるのでしょうか?

家族に内緒にする工夫はできるが、確約はできない

確かに借金問題は家族に知られたくないかも知れませんが、基本的には家族の理解を得た上で進めるよう推奨します。

なぜなら破産をすると裁判所からの通知が自宅に届くことがありますし、家族の収入証明が必要な場合もあり、あるいは破産前とは支出の仕方を変える必要があることもありえ、内緒にするのは難しいケースも多いからです。

弁護士は、事務所からの書類は個人名で送付したり、電話連絡の時間に気をつけたりといった工夫はしますが、必ず知られないという保証はありません

状況によっては家族に知らせて理解を得た上で手続きを進めるべきと判断されるケースもあります。

家族に知らせるかどうかについては、弁護士と相談しながら決めるのが良いでしょう。

まとめ

ここまで解説してきたように、状況によっては自己破産をすることで家族に影響が出るケースや、借金のことを知られるケースがあります。

ただ、その上で家族になるべく負担や心配をかけないためには、専門的な知識をもった弁護士の適切なアドバイスが不可欠です。

お悩みでつらい日々を過ごしているとしたら、まず弁護士への無料相談や減額診断を行ってみましょう。

<解決事例>マイホームを手放さずに借金解決!C子さん(38歳 主婦 子供あり)

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