自己破産すると会社にバレる?勤務先への影響は?【債務整理】

最終更新日:2020/09/15

監修

弁護士法人サンク総合法律事務所
弁護士 堀川 民人

弁護士法人サンク総合法律事務所 堀川 民人

「自己破産をすれば借金問題は解決できるけれど、会社への影響が心配」

そう思って自己破産に踏み切れない方が少なくありません。

今回は、自己破産をすると会社にどういった影響が及ぶのか、破産を知られてしまうのか、クビになる可能性があるのかなど、解説していきます。

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<この記事の要約>

  • 自己破産は場合によっては勤務先の会社にバレずに行うことができる
  • 勤務先からの借入れや勤務先を通しての借入れがある場合、また必要書類を会社に依頼する必要がある場合は、自己破産をすることが会社にバレる可能性がある
  • 自己破産などの債務整理をすることをためらって、借金問題を放置していると、督促や給与差し押さえをされて会社に借金がバレてしまうケースがある
  • 自己破産したからといって、法律上クビになることはないが、資格制限によって一定期間、これまで通りの業務ができない可能性がある

自己破産は会社にバレるのか?

結論からいうと、自己破産は場合によっては勤務先の会社にバレずに行うことができます

自己破産を弁護士に依頼しても弁護士から会社へは何の連絡もしませんし、債権者(借金の貸主)からも会社へ通知されることはありません。

破産申立てをした後、裁判所から会社に直接連絡されるような手続きもありません。

以下で紹介する例外的なケース以外では、自己破産を会社に知られる心配は不要といってよいでしょう。

「会社に知られたくないから自己破産をしたくない」と考えている方は、ここからの解説をよく読んで不安を解消しましょう。

どのような場合に会社にバレる?

以下のような場合には、会社に自己破産を知られる可能性があります。

勤務先からの借入れ、または勤務先を通じての借入れがある場合

勤務先から借金している場合、勤務先は「債権者」の立場です。自己破産ではすべての債権者へ弁護士や裁判所から通知が行われるルールになっていて、会社だけを外すことは許されません。そこで会社から借り入れのある状態で破産すると、必ず知られてしまいます

また勤務先を通じて、ろうきんなどの金融機関などから借入をしている場合や、いわゆるコーポレートカードの利用がある場合にも、借入先から会社に連絡があって知られる可能性が高くなります。

必要書類を会社に依頼する場合

自己破産の必要書類の1つに退職金証明書があります。

これは「もしも今退職したらどの程度の退職金が出るかという退職金見込額」を会社に明らかにしてもらう書類です。

裁判所に提出するために会社に退職金証明書の発行を求めると「何に使うのか?」と聞かれて自己破産を知られてしまうケースが頻繁にあるので注意が必要です。

退職金計算書で代用できる

退職金見込額は、退職金証明書以外の方法でも証明できます。退職金規程のコピーを入手して自分で退職金見込額を計算すれば、わざわざ退職金証明書を会社にお願いする必要はありません。

どうしても退職金証明書が必要なケースとは

問題になりやすいのは、会社にそもそも退職金規程が存在せず「退職金がないこと」を証明しなければならないケースなどです。会社に「退職金はありません」と証明してもらわないといけないので書類を依頼せざるを得ず、自己破産を知られてしまう可能性があります。

会社が破産者情報をチェックしている場合

一部の金融業で、官報記載の破産・再生情報を常にチェックしており、従業員の破産再生がないかを把握しているケースがあります。高額の商品を扱うため、従業員の財産状態を把握する趣旨と考えられます。

「破産しない」で放置していると、かえって会社に借金トラブルを知られる危険がある

世間では「自己破産すると会社に知られないか心配」という方が多いのですが、実は借金を放置して「自己破産しないこと」により、かえって借金トラブルを会社に知られてしまう方がたくさんいます

自己破産しないことにより、会社に借金トラブルを知られるのは以下のような場合です。

借金を滞納した場合

クレジットカードなどの支払いを1〜2ヶ月以上滞納し、さらに個人に来る電話連絡や葉書を無視していると、督促の電話を会社にされてしまうことがあります。
そうすると、同僚には「借金があり、それを滞納している」ということがバレてしまいます。

自己破産を依頼すれば、借金の返済ができない状態でも督促の電話が会社にくることは基本的にありません。依頼した弁護士などの専門家から債権者に通知が発送されるためです。

給与差押えをされた場合

破産しないで会社に借金トラブルを知られる典型的なケースは、給与差押えをされた場合です。

借金を払わないで放置していると、債権者から裁判などを起こされて最終的に給料などの財産を差し押さえられる可能性があります

給与差し押さえの際には、裁判所や債権者から会社へ連絡が来ます。裁判所から債権差押決定書が届き、債権者から「これからは給料の一部をこちらへ支払って下さい」と連絡されるのです。

そのような連絡が来たら、会社は「この従業員は借金を返せなくなって給料を差し押さえられたのだ」と気づきます。

給与差し押さえの防止には自己破産が有効

実は自己破産をすると、給与差押えを受ける心配がなくなります

法律上「破産手続開始決定」が出た後は、債権者が差押えの申立てをすることができなくなるからです。

さらに、すでに給与差押えをされてしまった場合も、自己破産をすれば解除できることがあります

給与差押えや会社への連絡を避けたいなら、借金トラブルを放置せずに早めに自己破産などの債務整理を検討しましょう。

自己破産すると、クビになる可能性はある?

自己破産したからといってクビになる心配はありません

法律により、解雇が有効になるケースは非常に限定されています。

具体的には以下の2つの条件を満たさなければ、解雇が認められません(労働契約法16条より)。

  • 解雇せざるを得ない合理的な理由
  • 解雇手続きの社会的相当性

「従業員の個人的な破産」は解雇せざるを得ない合理的な理由にならないので、一般的な企業が破産のみを理由に解雇すると「不当解雇」となります。

また解雇以外の減給や降格などの懲戒対象にもなりません。

以上より、通常の会社であれば破産を知られても解雇はされません。万一経営者が法律を知らず、解雇されてしまったら、解雇無効を主張して争うこともできます。

破産時の資格制限の問題

一般的な仕事の場合、自己破産をしても職を失う心配はありません。公務員であっても仕事を続けられます。

ただし自己破産には一定の職業についての資格制限があり、該当すると一定期間仕事をできなくなる可能性があります。

資格制限とは、自己破産の手続き中に破産者の資格や仕事に制限を加えることです。たとえば以下のような資格や職業が対象になります。

警備員
保険外交員
貸金業
質屋
産業廃棄物処理業者
弁護士、司法書士、行政書士などの士業
騎手
調教師
卸売業者
宅建業

上記以外にもさまざまな業種が制限対象となっています。

資格制限が及ぶのは破産手続開始決定時から免責決定が確定するまでの間です。

多くの場合、同時廃止なら2~3か月程度、管財事件になった場合には半年程度の間となります。

同時廃止・管財事件についての詳しい記事はこちら:「自己破産の流れと期間は?手続きの種類ごとに解説【債務整理】

資格制限を受ける場合の対処方法

破産者が資格制限を受ける職業をしている場合、裁判所などから勤務先に連絡が来るわけではありませんが、黙って仕事を続けていると後で大きなトラブルになる可能性があるので、きちんと勤務先に破産することを伝えて対応を相談しましょう。

資格制限を受ける期間は別の部署に異動させてもらい、資格の不要な事務などの業務をさせてもらえる会社も多数あります。

資格制限がある事で迷っている人は、まずは弁護士に相談するようお勧めします。

どうしても仕事を続けなければならない事情がある場合、自己破産以外の債務整理(個人再生や任意整理など)を行う事で解決できるかもしれません。

まとめ

自己破産は場合によっては勤務先の会社にバレずに行うことができます

勤務先からの借入れや勤務先を通しての借入れがある場合、また必要書類を会社に依頼する必要がある場合は、自己破産をすることが会社にバレる可能性があります

自己破産などの債務整理をすることをためらって、借金問題を放置していると、督促や給与差し押さえをされて会社に借金がバレてしまうケースがあります

不利益をなるべく小さくするため、早めに弁護士に相談して自己破産などの債務整理を検討しましょう。

自己破産したからといって、法律上クビになることはありませんが、資格制限によって一定期間、これまで通りの業務ができない可能性があります

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