自己破産すると生命保険は解約される?残せるケースや方法を解説

最終更新日:2021/10/08

監修

弁護士法人サンク総合法律事務所
弁護士 今枝 利光

弁護士法人サンク総合法律事務所 今枝 利光

書類を見て悩む人

自己破産したら生命保険や医療保険などの「保険」はどうなるのでしょうか?

ケースにもよりますが、強制解約される可能性があります。

ただし手元に残せるケースもあるので、どういった方法で保険を残せばよいのか押さえておきましょう。

今回は自己破産すると生命保険などの「保険」がどのように取り扱われるのか、解約を避ける方法も含めてお伝えします。

自己破産を検討しているけれども保険を手元に残したい方はぜひ参考にしてみてください。

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この記事の要約
  • 解約返戻金のある積立型の保険が20万円を超えると、保険が解約されるケースがある(ただし破産者名義)
  • 健康保険は自己破産しても解約されないが、滞納している場合免責されないため注意
  • 保険解約返戻金が20万円超でも解約したくない場合は、「自由財産拡張の申立て」や「保険法の介入権を利用」をすれば、解約を避けられる可能性がある



保険の「解約返戻金」は財産となる

自己破産するとき、保険が失われるケースと失われないケースがあります。

失われるのは、保険に一定額以上の解約返戻金がある場合です。

解約返戻金とは、保険を解約したときに保険会社から支払われるお金で、「積立型」とよばれる保険には解約返戻金があります。

一方で「掛け捨て型」とよばれる保険には解約返戻金がありません。がん保険や自動車保険、都民県民共済などには解約返戻金がないケースが多数です。

解約返戻金がある場合、「破産者の財産」として取り扱われるため解約されて債権者へ配当される可能性があります。

たとえば東京地裁の場合「解約返戻金額が20万円」を超えると配当対象になります。

複数の保険に加入している場合、1つ1つの保険の解約返戻金額が20万円以下でも合計額が20万円を超えると配当対象です。

生命保険だけではなく学資保険などの保険であっても、基本的には解約返戻金があれば財産扱いとなります。

解約返戻金のある保険や年金の例

  • 生命保険
  • 火災保険
  • 学資保険
  • 個人年金

学資保険は子どものために積み立てる保険ですが、契約者は通常親名義となっているので親が破産すると解約される可能性があります。火災保険にも解約返戻金のあるものが多数です。

なお解約返戻金の上限金額などの具体的な取り扱いは地域によって取り扱いが異なる可能性があります。詳細は地元の弁護士に相談してみてください。
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自己破産で保険が解約されるケースとされないケース

自己破産によって保険が解約される可能性があるのは、以下の場合です。

  • 解約返戻金のある積立型の保険が20万円を超える(ただし破産者名義)

積立型で解約返戻金が20万円を超える場合、基本的に保険は解約されて配当対象となります。ただし解約されるのは「破産者が契約者」となっている場合に限られます。家族名義の保険は解約されません。

解約されないのは以下のような場合です。

  • 掛け捨て型の保険
  • 積立型の保険だが解約返戻金額が20万円以下

掛け捨て型か積立型かは、保険証券や保険会社から送られてくる「お知らせ」などの書類を見ればわかります。書類がなければ保険会社に直接問い合わせてみてください。

解約返戻金額を知りたい場合にも、保険会社に申請すれば証明書を発行してもらえますが、契約者本人が問い合わせる必要があります。

名義は破産者でも家族が保険に加入している場合

家族が破産者名義を使って保険に加入していたら、その保険は「破産者名義の保険」として解約されるのでしょうか?

基本的には破産者名義である以上「破産者の財産」として解約される可能性が高いでしょう。

ただし、家族が、家族の貯金から保険料を全額支払っており破産者本人はまったく事情を知らなかったなどの特殊な状況であれば「家族の財産」として解約を避けられる可能性もあります。

破産者名義の保険を「実質的には家族の保険」として手元に残せるのは相当特殊な状況であり、法律的な観点も踏まえて裁判所へ説得的に主張しなければなりません。

ご本人では対応が困難ですから、必ず弁護士に依頼して対応を任せましょう。
頼れる弁護士

自己破産したとき「健康保険」の取り扱い

自己破産すると健康保険も解約されるのでしょうか?

健康保険(公的医療保険)の種類は健康保険(健保)国民健康保険(国保)に大別され、勤め先や働き方によってどちらの健康保険に加入するかが決まります。

健康保険は「解約できない保険」です。日本人は全員が何らかの健康保険に加入しなければなりません。

自己破産したからといって保険資格に影響は及ばず、医療機関の受診もこれまで通りに続けられるので安心しましょう。保険証の交換も不要です。

ただし健康保険料を滞納しているなら注意しなければなりません。自己破産をしても健康保険料は免責されないからです。

破産中や破産後も自治体や健康保険組合から健康保険料を請求されますし、滞納している場合は延滞金も加算されていきます。

長期に渡って健康保険料を払わなければ、これまでの保険証は使えなくなってしまいます。通常の保険証とは異なる「短期被保険者証」が送られてきて、病院ではいったん10割の負担をしなければならない状態になります。7割分は後から自治体へ申請すれば返還してもらえますが、申請の際には自治体から健康保険料の不足分を納付するよう督促されるでしょう。

高額医療の還付なども受けられなくなる可能性が高くなりますし、滞納が続くと最終的には給料などを差し押さえられてしまう可能性があります。

健康保険料を滞納しているなら、他の支払いよりもなるべく優先して早めに払うのが得策です。

なお所得が低い場合や天災によって保険料納付が苦しくなった場合などには、申請によって健康保険料を猶予・減免してもらえるケースもあります。払えない場合には放置せずに自治体へ相談してみてください。

保険解約返戻金が20万円超でも解約したくない場合の対処法

せっかく今まで生命保険や学資保険などの保険に加入してきたのに、破産によって失うのは避けたい方が多いでしょう。

解約返戻金が20万円を超える場合、保険を残す方法はないのでしょうか?

以下で保険の解約を避けられる可能性のある方法をお伝えします。

自由財産拡張の申立て

保険が破産者にとって必須の財産といえる場合には「自由財産拡張の申立て」によって保険解約を防げる可能性があります。

自由財産拡張とは、本来なら債権者へ配当すべき財産であっても破産者の生活に必須であれば、例外的に手元に残してもらうための制度です。

ただし保険が「生活に必須」と認めてもらえるケースは多くはありません

たとえば破産者や被保険者が重病にかかっていて、いったん保険を解約されると二度と加入できない場合などには自由財産拡張が認められる可能性があります。

保険法の介入権を利用

次に保険法にもとづく「介入権」を利用して保険を守る方法もあります。

介入権とは、破産管財人などの第三者によって保険が解約されそうなとき、被保険者や契約者、親族などが解約返戻金相当額を払って保険を継続させる権利です。

たとえば生命保険の解約返戻金額が20万円を超えていれば、破産管財人によって解約されるのが原則です。しかし破産者の親や配偶者などの親族が解約返戻金相当額を破産管財人に支払えば、保険を解約せずに済みます

頼れる親族のいる方はぜひ介入権行使を検討してみてください。

まとめ

自己破産するとき、生命保険等の解約返戻金が発生する保険に加入していると解約されるリスクもあります。心配な方は、まずは一度弁護士に相談してベストな対処方法を確認しておきましょう。

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