自己破産の免責不許可事由とは?【債務整理】

最終更新日:2021/06/23

監修

弁護士法人サンク総合法律事務所
弁護士 堀川 民人

弁護士法人サンク総合法律事務所 堀川 民人

多額の借金

自己破産をしても「免責不許可事由」があると負債を免除してもらえない可能性があります。

浪費やギャンブルによって借金した方、直近に自己破産したことのある方、借金してから1度も返済していない方などは要注意です。

ただし免責不許可事由があっても「裁量免責」によって負債の免除を受けられるケースが多いので、あきらめる必要はありません。

以下で具体的にどのような免責不許可事由があるのか、裁量免責を受けるにはどうすればよいのかなど、みていきましょう。

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この記事の要約
  • 自己破産には免責不許可事由(該当すれば裁判所が免責を許可してくれない事由)がある
  • 免責不許可事由があると管財事件になる可能性が高い
  • 免責不許可事由があっても裁量免責によって免責される可能性がある
  • 免責されなかった場合は、他の債務整理を検討する



免責不許事由に該当する行為とは?

ギャンブル

免責不許可事由とは、これに該当しなければ裁判所が免責を許可してくれるという事情のことです。

免責とは、借金などの負債が免除されることをいいます。免責を受けられないと借金がそのまま残ってしまうので、自己破産をする意味がありません。

免責不許可事由に該当する例を以下に掲げます。

・財産を不当に減少させる
債権者を害する目的をもって財産を隠したり壊したり安く処分したりして財産を不当に減少させると、免責不許可事由になります。

たとえば、破産手続で取り上げられないようにしようと、財産を親族名義に変えて隠そうとしてはなりません。

・破産を遅らせるため借金を重ねる
破産を遅らせようとして、闇金などで著しく不利益な条件で借金したりクレジットカードで買った商品を現金化したりすると免責不許可事由に該当します。

・特定の債権者だけに弁済するなど
特定の債権者からの借金のみ返済すると「偏頗弁済(へんぱべんさい)」として免責不許可事由になるおそれがあります。
たとえば家族・友人からの借入だけを返済したり車のローンのみ完済したり、連帯保証人のついている借金だけまとめ払いしたりしてはなりません。

・浪費やギャンブルなどの射幸行為
浪費やギャンブル、株式取引やFX、仮想通貨などの投資、投機行為で高額な借金をすると、免責不許可事由になります。

・詐術による信用取引
自己破産を申し立てる前の1年以内に、「本当は借金しても返せない」と知りながらあえてそのことを相手に告げずにカードショッピング等をすると、「詐術」として免責不許可事由に該当するおそれがあります。

まして、個人情報を偽ったり、他の借金の金額を偽ったりすると、「詐術」に当たる可能性が高くなります。絶対にこのようなことはしないでください。

・帳簿や書類の偽造、変造、隠滅
事業者の業務上の帳簿や資料、財産の状況に関する資料や物を隠したり偽造したり変造したりすると、免責不許可事由に該当します。

・虚偽の債権者名簿を提出
内容が虚偽の債権者名簿を裁判所に提出すると、免責不許可事由になります。債権者は全員分を正確に報告しなければならないので、注意しましょう。

・裁判所に協力しない
破産手続き内で裁判所からの調査に対し、回答しなかったり嘘を言ったりするという非協力的な態度をとると免責不許可事由に該当します。

・破産管財人の業務を妨害
破産管財人等が財産の換価や配当などの業務を進めるとき、これを不正な手段で妨害すると免責不許可事由に該当します。

・7年以内に免責を受けている
免責してほしいと裁判所に申し立てる前の7年以内に以下の手続きをしていると、免責不許可事由に該当します。

※7年以内に破産して免責許可の決定が確定していた場合、自己破産を申し立てても免責不許可事由に該当します。

※給与所得者等再生を申し立てて再生計画とおりに返済を終えた場合、その給与所得者等再生の再生計画認可決定が確定した日から7年間は自己破産を申し立てても免責不許可事由に相当します。

※過去に個人再生・給与所得者等再生の「ハードシップ免責」を受けた場合、その元となった個人再生の再生手続き認可決定が確定した日から7年間は自己破産を申し立てても免責不許可事由に該当します。

・裁判所での手続きや破産管財人に協力しないなど
債権者集会で説明をしない、破産管財人の調査に協力しないなど、裁判所での手続きや破産管財人の業務に非協力的な態度をとるといったような法律違反がある免責不許可事由に相当します。

免責不許可事由があると管財事件になる?

自己破産の手続きには同時廃止事件管財事件の2種類があります。

同時廃止事件と管財事件について詳しい記事はこちら:「自己破産の流れと期間は?手続きの種類ごとに解説【債務整理】

同時廃止事件は財産をほとんど持たない方に適用される簡易な手続き、管財事件は一般的には財産が一定以上ある方に適用される複雑な手続きです。

管財事件には破産管財人がつくことが特徴です。

破産管財人は、破産者の財産の調査・管理を行ったり、免責して良いかの意見を裁判所に伝えたりする役割を担っています。

実は免責不許可事由があると、実際上は管財事件とされる可能性が高くなるので注意しましょう。

管財事件になると、裁判所に行く以外にも、管財人と1回以上面談することになりますし、管財人の報酬分のお金を用意したりする必要があるため、破産者にとっては比較的負担が大きくなります。

管財人の業務に協力しないとそれ自体が免責不許可事由になってしまう可能性があるので、誠実に対応しましょう。

裁量免責(免責不許可事由があっても免責される)

実は免責不許可事由があっても裁量免責によって免責される可能性があります。

裁量免責とは、裁判所が相当であると認めたときに免責を許可する制度です。

免責不許可事由に該当する問題行動の程度が軽かったり、悪質でなかったり、本人がしっかり反省していたり、裁判所の調査に協力したりすると、裁量免責してもらえる可能性が高くなります

ただし以前にも同じ免責不許可事由で裁量免責を受けていると二度目は厳しくなる傾向があるので、注意が必要です。

免責されなかった場合の対処法

もしも免責不許可事由があって裁量免責も受けられなかったとしても、諦める必要はありません。

状況にもよりますが別の債務整理手続きを適用すれば解決できる可能性があります。

たとえば個人再生で解決できる方もおられます。個人再生をすると負債額を5分の1~10分の1程度にまで大幅に減額してもらえるケースが多く、借金を楽に支払いやすくなります。

負債額が小さい方の場合、任意整理ができる可能性もあります。

また免責後7年が経過していないために免責不許可となってしまう方は、時間をおけばこの免責不可事由には該当しなくなります(ただし、他の免責不許可事由に該当するなど、必ずしも免責が容易であるわけではありません)。

このように免責不許可事由があっても、破産以外の方法により借金問題を解決する余地がありますので、あきらめずに1度弁護士に相談してみてください。

債務整理の種類について詳しい記事はこちら:「債務整理とは?任意整理、個人再生、自己破産の費用とメリット・リスクを比較!

非免責債権との違い

免責不許可事由と混同されやすい制度として非免責債権があります。

非免責債権とは、免責を受けても免除してもらえない債権(負債)です。免責を受けられると一般の借金や家賃などは免除されますが、非免責債権だけは残ってしまうので、自己破産後も支払わねばなりません。

たとえば以下のようなものが非免責債権となります。

  • 税金、健康保険料
  • 養育費や婚姻費用、扶養料
  • 罰金
  • 故意や重過失で加えた生命身体に対する不法行為にもとづく損害賠償請求権
  • 悪意で加えた不法行為にもとづく損害賠償請求権
  • わざと裁判所に報告しなかった債権者の債権
  • 個人事業主が従業員へ支払う給料や預かり金



非免責債権が残った場合の対応は、状況によって異なります。たとえば税金や健康保険料の場合、所轄庁と協議して分割払いさせてもらえるケースも少なくありません。

養育費や婚姻費用が高すぎる場合、相手方と協議したり調停を申し立てたりして、金額を調整しましょう。

非免責債権は「払えない」といって放置するのではなく、専門家のアドバイスを聞いて適切に対応していくようお勧めします。

現実には自己破産で免責不許可事由があっても最終的には裁量免責してもらえるケースも少なくありません。不安がある場合、まずは1度弁護士に相談してみましょう。

<解決事例>マイホームを手放さずに借金解決!C子さん(38歳 主婦 子供あり)

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