個人再生をすると車はどうなるの?【債務整理】

最終更新日:2021/02/01

監修

弁護士法人サンク総合法律事務所
弁護士 堀川 民人

弁護士法人サンク総合法律事務所 堀川 民人

家計 やりくり

「借金があって個人再生を検討しているけれど、車がなくなると困る」

そう思って債務整理を躊躇してしまう方がたくさんおられます。

今回は個人再生をしたら車がどうなるのか、手元に残す方法を含めて解説します。

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この記事の要約
  • 個人再生をしても、必ずしも車などの財産がなくなるというわけではない
  • 個人再生で車を残したい場合の対処法
    1. 車のローンが残っていない場合、清算価値保証原則により、車の価値分の金額と個人再生による減額分とどちらか大きい方を返済すれば車を残せる
    2. 車のローンが残っている場合、所有権留保がされていなければ車を残せる
    3. 車のローンが残っており、所有権留保がついている場合、同居していない第三者に弁済してもらうことなどにより車を残せる
    4. どうしても車を必要とする事情があれば、別除権協定により車を残せる場合がある



個人再生は財産を残せる手続き

世間では「個人再生したら財産がなくなる」と思われているケースが少なくありません。

しかしこれは誤解です。個人再生をしても、基本的に財産はなくなりません。預貯金、車、不動産、保険、家具家電など、すべて手元に残したまま借金問題を解決できることもあります。

個人再生すると財産がなくなると思われている理由

債務整理には大きく分けて、任意整理、個人再生、自己破産の3種類があります。

これらのうち、個人再生と自己破産は裁判所を通じて行う、比較的複雑な手続きです。自己破産の場合、一定以上の財産が没収されてしまいます。

多くの方は、個人再生と自己破産を混同して「個人再生すると財産がなくなる」と思い込んでいるのです。実際には個人再生をすると必ずしも財産がなくなるというわけではないので、まずは安心しましょう。

個人再生による財産への影響について

債務整理 財産

個人再生をしても、基本的に財産に対する影響はありません。ただし一定以上の財産があると、個人再生しにくくなる可能性があるので注意しましょう。

清算価値保障原則とは

個人再生には「清算価値保障原則」というルールがあります。これは、個人再生をすることにより債権者が破産の場合よりも損をしてはいけないという決まりです。

破産をした場合、上記のとおり一定の財産が没収され、債権者への配当に充てられます。個人再生の場合に、「破産において没収される財産よりも少ない金額だけ返済すればよい」というのでは不公平になってしまいます。そこで、個人再生をした場合にいくら返済すればよいかは、債務者がいくらの財産を持っているかということが関係してきます。

清算価値保障原則の具体例

・残りの借金が500万円の場合
破産をした場合に没収される財産(以下「総財産」といいます)の価値が100万円以下であれば借金は100万円にまで減額してもらえます。

総財産の価値が500万円以上あると、借金は一切減額されません。財産が300万円なら、300万円までしか減額してもらえません。

多額の財産を持っていると、個人再生をしてもあまり借金を減らせないといえるでしょう。

車と清算価値保障原則の関係

高額な車を持っている場合、車を手元に残すと借金を減らせず、個人再生で解決できない可能性が高くなります。そうなってくると、車の売却も視野に入れて検討せざるを得なくなります。

ただ、車は時間の経過によって価値がどんどん下がります。購入価格が300万円でも今は20万円程度の価値しかない、といったケースも少なくありません。個人再生における価値評価は「現在価値」を基準にするので、現在の評価額が低ければさほど心配する必要はないといえるでしょう。

車のローンが残っていると要注意!

書類を見て悩む人

個人再生をするとき、車のローンにも注意が必要です。

ローンで車を買う場合、車に所有権留保の特約をつけられるケースがあります。所有権留保とは、ローン完済時まで車の所有権をローン会社に残しておくことを意味します。

返済を滞納したらローン会社が所有権にもとづいて車を引き上げる仕組みと理解しましょう。このようにして、ローン会社は返済滞納リスクを防いでいるのです。

所有権留保がついた状態で個人再生をすると、ローン会社は所有権にもとづいて車を引き上げてしまいます。そうなると、手元から車が失われてしまいます。

個人再生をしても車を手元に残したい場合には、所有権留保がついているかどうかが非常に重要なポイントとなります。

所有権留保を確認する方法

車のローンを組んでいる方が個人再生をするときには、自分の車に所有権留保がついているかどうか確認しましょう。

実は車のローンを利用しても、すべてのケースで所有権留保をつけられるわけではありません。車のローンにはいくつか種類があり、債権者によって対応が異なるからです。

中でも所有権留保がつきやすいのは、ディーラーローンや信販会社のローンです。一方、銀行のマイカーローンの場合には所有権留保がつきにくい傾向があります。

所有権留保を確認する方法
自分で所有権留保がついているかどうか確認するには、車検証をみてみましょう。

車検証には「所有者名」や「使用者名」が書かれています。

所有者名が信販会社などの債権者名になっていたら、所有権留保がついているということです。一方、所有者名が自分自身であれば、残ローンがあっても所有権留保はついていません。



所有権留保がついていなければ、個人再生をしても車を回収されることをあまり心配しなくても大丈夫です。

所有権留保がされている車を残す方法

もしも手元の車の所有権が留保されていたら、どうすれば良いのでしょうか?

車のローンを払いきってから個人再生

1つ目の対処方法は、車のローンを完済してから個人再生する手法です。

車の残ローンの支払期間が1~3か月程度であれば、何とか返済を継続して完済まで支払える方もおられるでしょう。ローンを完済していれば所有権留保が抹消されるので、車を引き上げられる心配は不要です。

ただしこのとき、他の借金を無視して車のローンのみを一括返済してはいけません。他にもたくさん借金がある中で車のローンだけを特別扱いして一括返済すると、偏頗弁済(へんぱべんさい)となってしまうからです。

偏頗弁済は、債権者間で不平等な取扱いをすることを意味します。個人再生でも「すべての債権者を平等に扱わねばならない」という債権者平等の原則がはたらきます。

不平等な偏頗弁済をすると、個人再生の返済金額を上乗せされてしまうリスクがあるので、絶対にしてはなりません。

車のローンの残債支払い方法に迷いが生じたら、自己判断せずに専門家へ相談しましょう。

同居でない親族による第三者弁済

車のローンの残債が多く返済期間がまだまだ続く場合、個人再生の申立を完済まで待っていられないケースもあるでしょう。こういった状況であれば、親族に援助をお願いするのも1つの対処方法となります。

自分で払うのではなく親族が直接債権者に払うのであれば、基本的に偏頗弁済になりません。

ただし同居の親族が支払うと、結局は「本人が支払ったのと同じ」と評価されるリスクが懸念されます。たとえば専業主婦の妻が夫の代わりに生活費の口座から車のローンを支払ったと主張しても、夫本人が支払ったとしか取り扱われません。

偏頗弁済とみなされ、車のローン返済額が借金返済額に上乗せされてしまう可能性があります。

親族へ援助をお願いするなら、別居している親などに依頼しましょう。
車に乗る家族

別除権協定を締結する

個人再生時にローンつきの車を残す方法として別除権協定を締結する手法があります。

ここでいう別除権協定とは、ローン債権者と協議して「所有権留保による担保を行使しない」取り決めをする契約です。

つまり、一定金額(通常は自動車を売却した場合の価額)を払う代わりに車を回収させず、手元に残してもらうのです。

ただ、別除権協定に基づいてお金を払うことが、再生手続上許されるかは、一概に言えません。

裁判所の許可がないと支払いができず、車を手元に残せないこともありえます。なぜ車を残す必要があるかも裁判所が気にすることもあります。

また債権者と話し合い、合意しなければならないというハードルもあります。

いくら支払うかという支払い総額だけではなく、利息や支払期間などについてもお互いに折り合える条件を見いださねばなりません。

別除権協定を利用して車を守るには、個人再生に詳しい弁護士などによる支援が必須となるでしょう。

まとめ

個人再生をしても車を残せるケースはたくさんあります。ただ車のローンが残っているときに対処方法を間違えると、回収されてしまうリスクがあるのも事実です。

「個人再生を検討したいが車がどうなるか心配」などという状況なら、早めに弁護士などの専門家に相談してみましょう

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