個人再生中でも転職はできるのか?条件や注意点を解説

最終更新日:2021/12/21

監修

弁護士法人サンク総合法律事務所
弁護士 市川 正敏

弁護士法人サンク総合法律事務所 市川 正敏

借金の悩みを解決する手段の1つに、個人再生という手続きがあります。個人再生では借金を大きく減らすことができますが、手続き中や手続き完了後に転職を検討している場合、どのような影響があるのか気になる方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、個人再生中に転職はできるのか、転職する際の条件や注意点などについて解説していきます。

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この記事の要約
  • 個人再生には一時的にブラックリスト状態となる、官報に情報が掲載されるなどのデメリットはあるが、資格の制限を受けないため、転職も自由に行うことが可能
  • ただし、転職によって収入が減ったり、無収入となったりした場合には、個人再生の手続きが失敗となる可能性もある
  • 個人再生後の転職で職場にバレるケースはほとんどないが、個人再生を依頼する弁護士のアドバイスを受けつつ転職を進めるのがおすすめ



個人再生とは

個人再生

個人再生とは、裁判所に申立てをすることで、借金を5分の1や10分の1など、元金ごと大幅に減額できる手続きです。

借金の総額は大きいものの一定の収入があり、自己破産は避けたい理由がある方におすすめの手続きとなります。

自己破産の手続きでは、借金を減額でなくゼロにできるメリットはあるものの、最低限度を超える資産を失ってしまいます。また、悪質な免責不許可事由がある場合は自己破産が認められないケースもあるのです。こうした点が懸念される場合に、個人再生手続きが選択されることが多いです。

個人再生は申立てから再生計画案認可決定まで最短で6か月ほど、その後減額後の金額を返済する期間が原則3年となります。

より詳しい記事はこちら

  

個人再生の手続きを行なうと、上記のように借金を大幅に減らすことができますが、以下のようなリスクがあることも理解しておきましょう。

個人再生するとブラックリスト状態になる

クレジットカード

厳密には手続開始決定が出ると官報に掲載され信用情報にも反映されます。「個人再生を裁判所へ申し立て、手続開始の決定が出ると、いわゆるブラックリスト状態となります。

ブラックリスト状態とは、借金やローンなどを申し込む際に、申し込まれた金融機関が審査に利用する信用情報で「事故情報」として確認される状態のことです。

個人再生では借金を大きく減額することができますが、借金をする際に債権者と交わした約定を守らなかったという事実に変わりはありません。

事業で騙されたり、詐欺にあったりして借金を抱えることとなるなど、個人再生する理由は人によってさまざまでしょう。しかし、どんな事情があったとしても、約束通りに借金を完済できなかった事は、債権者にとって融資の申請を受ける際に共有される必要があります。

事故情報は融資を申し込んだ先の金融機関と本人以外は見ることができない情報ですが、ブラックリスト状態の間はローンなどの新たな借金をしたり、クレジットカードを作成したりすることが難しくなるという点に留意しておきましょう。

個人再生をすると官報に掲載される

官報

個人再生をした事実は、信用情報以外に官報にも掲載されることとなります。個人再生でブラックリスト状態になっているかどうかは、融資を申し込んだ際の金融機関と本人以外に見られることはないものですが、官報は紙の冊子を購入するか、インターネットへアクセスすれば誰でも見ることのできる情報です。

裁判所で個人再生や自己破産などの手続きを行うと、公告事項として住所や氏名、事件番号や個人再生した事実などが公に告知されます(電話番号やメールアドレス、借金した際の経緯といった詳しい内容まで掲載されることはありません)。これらはお金を貸し付けた債権者や関係者に情報として伝え手続参加の機会を与えることを目的としています。

実際には、膨大な量の個人再生や自己破産に関する決定事項が毎日掲載されているため、官報によって不特定多数の目に大々的にさらされる状況にはなっていないのが実状です。

個人再生の手続き中に転職できるか

次に、個人再生の手続き中に転職することが可能かについて解説します。個人再生の申立てから再生認可を受けるまでと、認可後返済期間に入るまでの2つに分け、期間ごとに転職の可否について見ていきましょう。

申立てから再生計画案認可決定まで

基本的には転職は可能です。ただし、注意点として転職で収入が変更となる場合は、申立ての際に記載した書類の内容を訂正する必要があります。書類の修正、再提出の手間がかかった分だけ、認可までにかかる時間も延びることとなるでしょう。

また、認可前に退職して大幅な収入減や無収入となった場合に認可が困難となったり、退職金を得たことで弁済金額が増額されたりする可能性もあるので、併せて注意が必要です。

個人再生認可後の返済期間

認可後の返済期間中も、基本的に転職は可能です。しかし、もし転職によって収入が下がって返済ができなくなると、手続き失敗となってしまうため注意が必要です。

ケースによっては下がった収入に応じて返済期間を一定期間延長する手続きを取ることもできますが、必ず認められるわけではないため、転職先の収入については慎重に検討する必要があるでしょう。

このように、個人再生手続き中や手続き完了後の返済期間中でも、基本的に自由に転職することができます。ただし、認可される要件に収入が関わってくるため、個人再生を依頼する弁護士と相談するなどして、慎重に転職や就職活動を進めるようにしましょう。

個人再生の手続き中に転職する際のチェックリスト

個人再生中の転職で失敗しないために注意するべきポイントを、以下にチェックリストとしてまとめています。転職を検討する際の参考にしてみましょう。

転職後収入が下がらないか

上記でも解説した通り、個人再生では手続き中や認可後の返済期間中にどの程度収入が変わるかが重要となります。もし転職に成功しても、収入が下がって返済が難しくならないか、転職活動前にある程度の収支計算をしておくと良いでしょう。

転職期間で収入のない時期はないか

転職後、研修などで一定期間収入が発生しなかったり、大幅に収入が下がる期間があったりしないか、事前に確認しておきましょう。

一般的な企業であればほぼないケースではありますが、後で「こんなはずじゃなかった」と後悔しないよう、採用時の条件については念のためチェックしておくことをおすすめします。

また、先に勤務先を退職してしまい、転職先がなかなか見つからず無収入となってしまうこともないよう注意が必要です。

個人再生手続き中と、認可後の返済期間中のいずれの期間も退職することは可能ですが、転職と同様収入に変化が生じる場合、返済が困難になったり、手続きが失敗してしまう可能性があります。

不安な場合は依頼中の弁護士に相談を

個人再生では転職による収入の変化が重要視されます。上記のチェックリストを確認しても不安が残る場合には、事前に依頼中の弁護士に相談して決めると良いでしょう。

個人再生後に転職できるか、職場にバレないか

頼れる弁護士

個人再生後の転職に成功し、新しいスタートを切ったとしても、新しい職場で個人再生の過去がバレないか、個人再生を理由に解雇されないかといった不安を持つ方もいることでしょう。

基本的に、以下の理由から個人再生後の転職であっても特に問題が生じることはないと考えられます。

転職時に個人再生を伝える義務はない

転職時には、採用した企業に対して債務整理をしたなどと伝える義務はありません。そのため、履歴書などに個人再生したことを書く必要もありませんし、面接で聞かれなければ伝えなくても問題はありません。

身辺調査をしたり官報をくまなくチェックする企業もないとはいえませんが、転職先が金融機関でなければそこまでして調べられることはほとんどないといえるでしょう。

個人再生は資格の制限を受けない

個人再生では、資格の制限を受けない点も、転職時にバレにくい理由の1つといえます。自己破産した場合は士業など一部の資格が「欠格事由」となり、手続き中に資格を使用した業務ができなくなってしまいます。

しかし、個人再生の場合はこうした欠格事由による資格制限がないため、手続き中であっても、職業・資格にかかわらず仕事を継続することが可能です。

ただし、まれに官報をチェックしたり身辺調査をしたりする企業もあります。資格制限がなく、個人再生を伝える義務もないとはいえ、個人再生したことが転職先に絶対にバレないとまでは言えない点は留意しておきましょう。

まとめ

個人再生とは、裁判所へ申立てを行うことで、現在の借金を大幅に減額できる手続きです。自己破産のように借金を全額免除にすることはできないものの、資産を失わずに無理のない返済計画で借金を返済することが可能となります。

個人再生も自己破産と同様に、一時的にブラックリスト状態となったり、官報に情報が掲載されたりするデメリットはありますが、資格の制限を受けないため、転職も自由に行うことが可能です。

ただし、個人再生では手続き中や認可後の返済期間中に収入がどう変化するかが重要となり、収入が減ったり、無収入となったりした場合には、手続きが失敗となる可能性もあります

個人再生後の転職で職場にバレるケースはほとんどありませんが、収入の変化や退職時のタイミング、退職金の額によっては、個人再生を依頼する弁護士のアドバイスを受けつつ転職を進めた方が良いでしょう。

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