個人再生の最低弁済額とは?支払う金額はいくらになるのか

最終更新日:2021/12/21

監修

弁護士法人サンク総合法律事務所
弁護士 淺海 菜保子

弁護士法人サンク総合法律事務所 淺海 菜保子

計算機と書類

個人再生をすると「最低弁済額」まで支払金額を減らせる可能性があります。
最低弁済額とは、民事再生法が定める「最低でも支払わなければならない金額」です。

ただしすべてのケースで最低弁済額まで支払金額が減るとは限りません。

今回は個人再生の最低弁済額と、パターン別にどこまで借金を減額してもらえるのかについて、解説します。

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この記事の要約

▼個人再生の最低弁済額とは、個人再生の手続きの場合、最低限支払わなければならない額で、負債総額によって計算方法が異なる▼個人再生には「小規模個人再生」と「給与所得者再生」がある

小規模個人再生の場合、以下のいずれか高い方の金額まで支払金額が減額される
・民事再生法で定められた最低弁済額
・保有している財産の合計金額(清算価値保障原則)

給与所得者再生の場合、以下の3つの最も高い金額にまで支払金額が減額される
・民事再生法で定められた最低弁済額
・保有している財産の合計金額(清算価値保障原則)
・可処分所得(収入から所得税等を控除し、さらに政令で定められた生活費を差し引いた金額)の2年分



個人再生の最低弁済額とは

個人再生の最低弁済額は個人再生の手続きの場合に、最低限支払わなければならない額です。

個人再生をすると、支払うべき負債の金額を大きく減額してもらえます。ただし「最低弁済額」の金額だけは、絶対に払わなければなりません。

個人再生によって減額された負債は、原則として再生計画案の認可後3年間で分割払いします。

以上からすると、債務整理の方法を検討するとき「最低弁済額を3年で分割払いできそうな状態」であれば、個人再生を利用できる可能性があるといえます。

最低弁済額の計算方法

最低弁済額は、負債総額によって計算方法が異なります。

負債総額 最低弁済額
100万円以下 負債の金額がそのまま残る(減額されない)
100~500万円未満 100万円
500~1500万円未満 負債総額の5分の1
1500~3000万円未満 300万円
3000~5000万円 負債総額の10分の1

負債総額が5000万円を超えると個人再生を利用できません。

最低弁済額計算の具体例

・負債総額が80万円・・・負債総額が100万円以下のため、減額されず、80万円をそのまま支払うことになります。
・負債総額が400万円・・・最低弁済額は100万円です。
・負債総額が2000万円・・・最低弁済額は300万円です。
・負債総額が4000万円・・・最低弁済額は400万円です。

住宅ローン特則を利用する場合の最低弁済額

住宅ローン特則を適用する場合、住宅ローンの金額は「負債総額」に含めません

たとえば住宅ローンが3000万円、一般の借金が500万円の方が住宅ローン特則を適用するなら、最低弁済額を計算するときには「500万円」を基準とするのでその5分の1である100万円が最低弁済額です。

一方、住宅ローン特則を適用しない場合負債総額は3500万円とするので、最低弁済額は350万円となります。その際は、住宅を手放すことになります。

個人再生には「小規模個人再生」と「給与所得者再生」がある

個人再生

個人再生には小規模個人再生と給与所得者等再生の2種類があり、どちらを行うかによって、今後、支払う額が変わってきます。

小規模個人再生とは

小規模個人再生は原則的な個人再生の手続きです。会社員に限らず自営業者やアルバイト、パートの方などが利用できます。

負債は「最低弁済額」または「保有する財産評価額(清算価値保障原則)」の高い方の金額まで減額されます。

また再生計画案が認可される際に債権者による書面決議が行われますが、再生計画案に反対する債権者が、頭数で総数の半数いたり、借金総額の2分の1を超える場合には、再生計画案が認可されません。

給与所得者等再生とは

給与所得者等再生とは、会社員や公務員、年金生活者など「収入が確実に入ってきて安定している方が利用できる特別な個人再生手続きです。

負債は「最低弁済額」または「保有する財産評価額」または「可処分所得の2年分」の最も高い金額まで減額されます。

多くの場合「可処分所得の2年分」が上記の中でもっとも高額になるので、そのラインまでしか減額されません。結果的に小規模個人再生よりも支払額が高額になるケースが多数です。

小規模個人再生と違って債権者による書面決議が行われず、債権者の同意が不要というメリットがあります。

小規模個人再生が選択される場合が多い

一般には給与所得者等再生よりも小規模個人再生が広く利用されています。

自営業などの小規模個人再生しか利用できない方だけでなく、会社員などの給与所得者等再生を利用できる方も小規模個人再生を利用するケースが多数です。給与所得者等再生の可処分所得計算は複雑ですし、小規模個人再生の方が支払額を低く抑えられる事例も多いためです。

・どちらにも最低弁済額は適用される
小規模個人再生にも給与所得者等再生にも、最低弁済額は適用されます。
どちらを利用しても、最低弁済額よりも低い数字にまで負債を減額してもらうことはできません。

清算価値保障原則とは

個人再生 評価額と同じ額を弁済すれば財産を守れる

小規模個人再生にも給与所得者等再生にも清算価値保障原則が適用されます。

これは、債務者は、自身の持っている財産総額の評価額までは最低限支払わなければならないとする原則です。財産のある方が個人再生をすると、総財産の評価額以上の金額は支払わなくてはいけません。

もし、債務者が高額な財産を持ちながら、借金だけを大きく減額することになれば、債権者にとって著しく不公平となり、納得しがたいでしょう。

そこで清算価値保障原則により「最低でも財産評価分は支払わなければならないルール」がもうけられているのです。預貯金や保険、車や積立金、株式、投資信託、退職金などが財産として評価されます。

借金がどこまで減額されるのか、計算の具体例

・借金が1000万円、財産総額が150万円の方が小規模個人再生を利用
この場合、民事再生法が定める最低弁済額は200万円です。

一方財産総額は150万円なので最低弁済額が適用され、負債の支払額は200万円となります。

手続き後は200万円を原則3年で支払うので、毎月の支払額は55600円程度です。

・借金が1000万円、財産総額が250万円の方が小規模個人再生を利用
この場合、民事再生法が定める最低弁済額は200万円ですが、財産が250万円あるので清算価値保障原則により、借金は250万円までしか減額されません。

こちらを原則3年で支払うので、毎月の支払額は69500円程度となります。

可処分所得の2年分について

給与所得者等再生の場合、可処分所得の2年分も計算しなければなりません。

最低弁済額や清算価値保障原則が適用されるだけではなく「可処分所得の2年分」についても最低限、払わなければならないからです。

可処分所得の2年分が最低弁済額や手持ちの財産額を上回っていたら、可処分所得の2年分の金額までしか負債が減額されません。

可処分所得とは収入から税金や保険料、生活に必要な最低限の経費を差し引いた残りです。政令により地域や扶養家族の人数に応じて細かく計算方法が定められており、個々の債務者の状況に応じて個別に計算しなければなりません。

実際に可処分所得の2年分を計算すると、多くのケースで最低弁済額や手持ち財産額より高くなります。

給与所得者等再生における支払額の計算例
・借金総額が900万円、財産総額が100万円、可処分所得の2年分が210万円の場合
このケースでは民事再生法の定める最低弁済額が180万円、財産総額は100万円ですが「可処分所得の2年分」が210万円となっているので、借金は210万円までしか減額されません。

こちらを原則3年で支払うので、毎月の支払額は58400円程度になります。

こちらのケースで小規模個人再生を行った場合、180万円まで減額され、毎月の支払額は5万円程度となります。

個人再生で借金がどこまで減額されるのか、まとめ

小規模個人再生の場合

以下の2つの金額のうち、いずれか高い方の金額にまで減額されます。

  • 民事再生法で定められた最低弁済額
  • 保有している財産の合計金額(清算価値保障原則)

給与所得者再生の場合

以下の3つの金額のうち、最も高い金額にまで負債が減額されます。

  • 民事再生法で定められた最低弁済額
  • 保有している財産の合計金額(清算価値保障原則)
  • 可処分所得(収入から所得税等を控除し、さらに政令で定められた生活費を差し引いた金額)の2年分

個人再生を検討する際には、事前に「借金がどこまで減額されるのか」という見込みの金額をシミュレーションする必要があります。正しく算定しなければ、個人再生を利用できるかどうかも判断できません。

ご自身で計算すると間違ってしまうリスクが高くなるので、弁護士に相談しましょう。

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