
子供の教育費や学費にはお金がかかります。
高校や大学、大学院などへの進学の際にも多額のお金がかかるので奨学金を利用することが多いです。
しかし奨学金には利息がつくこともあり、立派な借金ですので子供が社会人になったときに多大な負担になることがあります。
今回は奨学金の借金返済が子供にどのような負担になるのかについて解説します。
奨学金は子供が債務者になる
奨学金を利用する事情はさまざまです。
夫と妻が共働きでも、子供が国立大学に行けずに私立に行ったり、医学部に行ったため高額な学費がかかったり、シングルマザーの家庭で元夫からの養育費も少なく、学費のために借りる場合もあるでしょう。
実家で父親や母親と同居しているなら生活費はかかりませんが、大学時代に一人暮らしをしている場合にアルバイト収入や仕送りだけでは生活費にいっぱいいっぱいで、学費支払いが出来ずに奨学金を利用することもあります。
中にはせっかく借りた奨学金が、教育費関係だけでは無く大学時代の交友費などに費消されているケースもあります。
奨学金を利用する際には、子供自身が借り入れ人となり、返済義務を負うということに注意すべきです。
両親のどちらかが連帯保証人になることが多いですが、それでも主たる借金返済人は子供なのです。
このことは、親自身が借り入れをする教育ローンとは大きく異なるところです。
しかも、奨学金には利子利息がつくものも多いです。
このように、子供自身に借金返済義務が課されるため、奨学金を利用すると子どもが社会人になってから多大な負担を負う可能性があるのです。
奨学金の借金返済が苦しく結婚出来ない場合がある
子供が奨学金の借金返済を抱えたまま成人した場合、これが原因で結婚出来ないケースがあります。
通常、借金返済を抱えている人を結婚相手に選びたいと思う人は少ないでしょうし、借金返済がある人に自分の娘を嫁にやりたいと思う親はもっと少ないでしょう。
奨学金の返済をしている本人も「自分には借金があるから」と、気持ち的に及び腰になって、結婚に踏み切れないということも多いです。
婚約者に奨学金のことを打ち明けられず悩んでいるという話もよく聞きます。
会社員になって十分な収入があっても、やはり奨学金の借金返済が心配で結婚出来ないのです。
女性が奨学金返済している場合など、仮に結婚出来ても、専業主婦になって、自分の奨学金の借金返済を旦那さんの給料から支払っていると思うと肩身の狭い気持ちになることもあります。
このように、安易な気持ちで奨学金を利用すると、息子や娘の人生に大きな影響を与えてしまうことを知っておきましょう。
奨学金を利用する場合には、夫婦や家族でよく話し合ってお互いや子供の意見を聞いてからにしましょう。
奨学金の借金返済ができずに自己破産するケースも
奨学金の借金返済が苦しい場合、自己破産などの債務整理手続きに追い込まれる人も増えています。
今や複数の奨学金を利用するなどして、社会人になったときには1000万円近い奨学金の借金返済を抱えてしまっている人もいます。
このような人は、会社員として仕事をして月々給料やボーナスがあっても、手取り収入からではとうてい完済することは困難です。
ましてや就職難で思うような仕事に就けなかった場合には、なおさらその返済は厳しくなります。
結局、借金返済が出来なくなって自己破産などをするしかなくなるのです。
このように、奨学金を安易な気持ちで利用すると、子供に多大な借金返済の負担を負わせることになってしまいます。
どうしても必要な場合は仕方が無いですが、夫婦の家計にある程度余裕があり、なんとか卒業までの学費を工面できる場合には、家族旅行や車にかけるお金を節約するなどして奨学金はなるべく利用しないようにしましょう。
まとめ
奨学金は子供自身が債務者となり返済していかなければならない借金です。
奨学金の借金返済が原因で結婚できない人や、奨学金の借金返済が苦しくて自己破産する人も増えています。
奨学金は、どうしても必要な場合以外にはなるべく利用しないようにしましょう。