任意整理とは?メリットとリスク・費用について徹底解説【債務整理】

最終更新日:2020/09/04

監修

弁護士法人サンク総合法律事務所
淺海 菜保子

弁護士法人サンク総合法律事務所 淺海 菜保子

任意整理は、債権者(消費者金融などの借入先)と直接交渉をして借金を減額してもらう手続きです。裁判所を通じて行う手続きではありません。

基本的には「和解後の利息」がカットもしくは大幅減額される方法で、元金(利息以外の借り入れ金額)までは減りません。

他の債務整理手続きに比べて比較的手間がかからず家族に内緒にできるケースも多いため、債務整理手続きをする人の中では、任意整理を行う人の割合が高いです

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<この記事の要約>

  • 任意整理には、債権者からの督促を止められる、毎月の返済額が減る、保証人に迷惑をかけない、財産がなくならないなどのメリットがある
  • 任意整理のリスクは、ブラックリスト状態になる、減額率が低く、根本的な借金問題の解決につながらない可能性があるなど
  • 任意整理を行うことで、過払い金が発生していればそちらも請求してもらえる(結果、元本が減ったりお金が戻ってきたりする)

任意整理のメリット

任意整理のメリットは主に以下です。

 

  • 債権者からの督促を止められる
  • 毎月の返済額が減る
  • 保証人に迷惑をかけない
  • 財産がなくならない

 

それぞれの詳細を見ていきましょう。

債権者からの督促を止められる

任意整理を弁護士などの専門家に依頼すると、債権者からの督促が止まります。これは、専門家が代理人となって手続きを進めるためです。

電話や手紙による督促におびえていた方も安心して生活できるようになるでしょう。借金返済ができない状況で、債権者からの連絡や督促がなくなることには精神的なメリットがあります。

また返済も一時ストップするので生活の建て直しを図れます。

詳しくはこの記事をチェック!

毎月の返済額が減る

任意整理すると、合意後の将来利息をカットもしくは大幅減額できる可能性が高いので借金の総返済額を減らせます。返済期間もある程度調整できるので、苦しかった借金返済がスムーズにできるようになります。

任意整理でどれくらい借金が減るのか?具体例
90万円の借金がある場合(年率18%)
元本返済額90万円
将来利息206,370円
毎月の返済額は30,000~43,000円
返済回数30回〜     

⬇️

任意整理後
元本返済額90万円
利息0円
毎月の返済額は15,000円
返済回数60回

 

このケースでは、総返済額は20万円以上減り、毎月の返済額も2分の1~3分の1程度に減額されました

保証人に迷惑をかけない

普通、奨学金など保証人のついている借金を債務者(借りた本人)が任意整理すると、債権者は保証人に一括払い請求してしまいます。しかし任意整理の場合対象とする債権者を選択できるので、保証人のついている借金を外せば保証人に迷惑をかける心配はありません

ただし、保証人付きの債務についても、保証人も一緒に任意整理手続きすることにより、保証人に請求がいかないようにすることができます。

この場合には、保証人も同じくブラックリスト状態にはなりますが、利息のカット・大幅減額や月の負担額を下げることが可能です。

財産がなくならない

任意整理の場合、債務者にどのくらいの財産があるかは全く問題になりません。家や車、預貯金や保険などの財産が失われる心配は不要です(財産が担保になっている借金を任意整理する場合は除きます)。

家族に内緒にできるケースが多い

裁判所を通じて行う手続き(自己破産や個人再生)だと、裁判所からの書類が自宅に届いたり、家計を共にする人の収支の証明が必要だったりするため、家族に内緒で手続きを進めることが難しい場合が多いです。

しかし任意整理は債権者と直接交渉する手続きで、裁判所は利用しませんので、上記のような心配は不要です。債権者とのやりとりも、弁護士に依頼して任せてしまえば個人で対応することはありません。

弁護士とやりとりする書類や電話などを家族に見られたり聞かれたりする場合もあるので、100%内緒にできる確約はありませんが、自己破産や個人再生と比べると、家族に負担や心配をかけずにできるケースが多い手続きです。

車に乗る家族

任意整理のリスク

任意整理をすることで発生するリスク・デメリットは主にこちらです。

 

  • ブラックリスト状態になる
  • 減額率が低く、根本的な解決につながらない可能性がある
  • 相手が話し合いに応じない可能性がある
  • 収入が必要

 

それぞれの詳細を見ていきましょう。

ブラックリスト状態になる

任意整理をすると、個人信用情報に事故情報が登録されて「ブラックリスト状態」になり、完済後5年間ほど基本的にローンやクレジットカードを利用できなくなります。例えばスマホ端末の分割購入もできなくなるので、新しい端末がほしいときには基本的に一括払いするしかありません。

ブラックリスト状態について詳しい記事はこちら:「ブラックリストとは?【借金滞納や債務整理と信用情報】

減額率が低く、解決につながらない可能性がある

任意整理でカットもしくは大幅減額できるのは、基本的には合意後の将来利息のみで、元本は減額できません。そのため、借金が多額な方は任意整理で根本的な問題を解決できない可能性があります。

任意整理 利息をカット

相手が話し合いに応じない可能性がある

任意整理では、債権者と個別に交渉して借金を減額してもらわねばならないので、相手が話し合いに応じなければ解決できません。

たとえば奨学金の場合、日本学生支援機構は基本的に話し合いに応じないので任意整理できる可能性は低いものと考えられます。ただし、相手が一般的な消費者金融やカード会社などの場合、一括請求を受けたり裁判を起こされたりしていても任意整理は可能な場合が多いです

詳しくはこちらの記事をチェック!

収入が必要

任意整理後、3~5年程で返済を終わらせる必要があるので、一定の支払能力が必要です。無職無収入の方などは利用できません。

ただしご本人が専業主婦の方で夫の給料から返済できる方など、ご本人の収入が無くても、家計全体の状況を踏まえれば継続的な返済が可能であれば、利用可能です。

過払い金について

2008年~2009年以前に消費者金融やクレジットカードのキャッシングを利用されていた方が任意整理をすると過払い金を取り戻せたり、元本を減額できる可能性があります。

過払い金とは、利息制限法が定める上限利率を超過して払いすぎた利息です。

2008年頃以前は多くの消費者金融やクレジットカード会社が「利息制限法」という法律の規制を守らず高額な利率で貸付をしていました。今はそういった高額な利率による貸付が無効と判断されているので、そのような高い利息を返済していた人は払いすぎた分を取り戻せるのです。

銀行カードローンやクレジットカードのショッピング、物販ローンなどは基本的には高額すぎる利率で貸付することがないので、過払い金請求の対象になりません。

2008年以前から取引を続けている場合、任意整理をすると元金ごと減額できたり払いすぎた過払い金を取り戻したりできる可能性があります。

任意整理を依頼すると、弁護士はまず債権者にこれまでの借金の「取引履歴」を請求し確認するので、過払い金が見込めそうかはそこでわかりますし、もちろん見込めそうであれば請求をします。任意整理を依頼してしまえば、過払い金の計算や請求は全て弁護士に任せていて大丈夫です。

過払い金請求をすることによって、任意整理手続きに追加で手出しの費用が発生することはありません(発生した過払い金から「過払い金の成功報酬」が差し引かれる場合はあります。報酬額の設定は弁護士事務所ごとに異なりますので、相談の際などに確認しましょう)。

また、2008年以前から返済をしていたがその借金は完済したという場合でも、完済から10年以内であれば過払い金を請求することができます。過払い金請求にも時効があるということです。

完済した借金の過払い金請求についても、弁護士に依頼することができます。

過払い金 請求期限

古い借金がある方は、早めに弁護士に相談してみましょう。

任意整理の費用相場

任意整理にかかる費用は「着手金」「基本報酬金」「減額報酬金」の3種類です。

着手金
債権者1社につき2~4万円程度
基本報酬金
債権者1社につき2万円程度
減額報酬金
交渉によって減額できた金額の10%程度が減額報酬金となります

弁護士事務所に依頼をする場合、債権者への返済を止めている間に分割払いができる事務所がほとんどです。

借金返済がきつい・苦しい状況下でも、債権者への返済ストップと費用分割払いにより、債務整理を行って状況を改善することが可能ということです。

任意整理が向いている人

  • 毎月の支払いが苦しいので返済額を減額してほしい
  • 継続的な収入がある(家族の収入でも良い)
  • クレジットカードや消費者金融の借金が多い
  • 借金返済を滞納して督促が来ている・一括払い請求されているが、再度分割にしてもらえたら支払える など

こちらで、任意整理で解決する具体例を見ることができます。

利息ばかりで支払いが全然終わらない~任意整理をしたAさん~

滞納して一括請求がきた~任意整理で解決したCさん~

転職したので数か月だけ待ってもらいたい~任意整理で解決したEさん~

まとめ

任意整理には以下のようなメリットがあります。

 

  • 債権者からの督促を止められる
  • 毎月の返済額が減る
  • 保証人に迷惑をかけない
  • 財産がなくならない

 

また、任意整理には以下のような注意点があります。

 

  • ブラックリスト状態になる
  • 減額率が低く、根本的な解決につながらない可能性がある
  • 相手が話し合いに応じない可能性がある
  • 収入が必要

 

費用の目安としては、着手金:1社につき2~4万円程度、基本報酬金:1社につき2万円程度、減額報酬金:減額できた金額の10%程度となります。
弁護士事務所に依頼をする場合、債権者への返済を止めている間に分割払いができる事務所がほとんどです。

自分や家族に収入があり、借金の月額や利息分がもっと少なければ、楽に返済できるのだけど…とお悩みの場合などは任意整理が向いている可能性が高いです。

ただ、どの債務整理手続きを行うのが最適なのかは自分だけではわかりません。弁護士に相談し、最適な方法を一緒に考えてもらいましょう。


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